Loading

風景写真家・松井章のブログ

パタゴニア開拓に貢献したエスタンシア-牧場

7.JPG
約100年前の無限にも見える荒野で、最初の一回の鋤を入れた人の気持ちは、どんなものであったのか考えることがあります。
開拓する荒野で、家族(あるいは単身)で行う作業は遅々として進まない苦しい日々、そんな毎日を過ごして作り上げたのが、パタゴニアのエスタンシアです。壮大な積み重ねの結果を今パタゴニアで見ているのです。
きっと世の中が便利になればなるほど、人は歩を早めてしまうのだと思います。
日々の積み重ねという、算数でいえば「足し算」こそが、本物の結果を生み出す鉄則であるはずですが、ついつい効率や欲から「かけ算」で考えてしまう。
これは悪い癖だなぁと思い、開拓者の気持ちで一歩一歩「足し算」で積み重ねていきたいと、ふと思うことがあります。思考の癖を直すのは大変ですが、積み重ねる意識を大事にしたいものです。
脚本家・倉本聰さんの著作『 獨白(どくはく) 』の「一寸引き」についての一文を思い出します。その引用を下記に記しましたので、時間のある方は、お読みください。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「一寸引き」ってのはね、こういうことなんだ。
とても手に負えない重いもの
たとえば太い木の根っ子とか大きい岩なんかを動かすには
一度にバッと動かそうとせずに時間をかけて
一寸ずつ動かせ。そうすりゃいつかは動く。
これはもう哲学だっておもったね。
文明はいまや即席の時代に入ってる。
すぐに結果をだすことを求めて、そのために
金やエネルギーを使う。
早く結果のでることが善で、時間のかかることは
避けなければならない。
果たしてそのことが正しいのかって、
生まれて初めて俺は考えたね。
たぶん、この頃からだと思うんだ。
人の生き方の「座標軸」ってものを
どっかで意識し始めたのは。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※『 獨白(どくはく) 』(倉本聡著)から引用
8.JPG

フィッツロイ山麓・ピエドラブランカ氷河の急激な後退

パタゴニア開拓史:氷河の思わぬ前進に翻弄される①

関連記事

  1. 「ラテンアメリカ・カリブ映画祭2023」開催中です

    2023.09.29
  2. パタゴニアの民俗史③ 大開拓時代の到来

    2013.07.06
  3. ブログを引越しいたします【新:andina-travel.com/blog 】

    2015.12.05
  4. 東京湾の花火の撮影:夜空に咲く「大輪の花」を自由に描く

    2019.09.12
  5. メキシコの領土喪失に見る大国の論理/「アラモを忘れるな」

    2019.10.12
  6. 写真展(12/20~25)の準備中

    2022.11.25
パタゴニア
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP