Loading

PHOTO-BLOG

高山病を予防するための正しい知識と対策

高山病とは何か

アンデス高地への旅行経験談などに、「高山病に罹った・罹らなかった」が重要となり、誤った情報の下で、不必要に不安になったり、逆に軽んじてしまうことがあります。
高山病とはいったい何であり、どうすべきか、正しい知識を持って臨むのが一番です。

正しい予防措置を講じていれば、標高約4,000mの観光旅行や日帰りハイキングでは、大きく心配する必要はありません。
高山病とは、高地で生じる様々な症状の“総称”を「高山病」と呼びます。
高山病という病気はなく、あくまで様々な症状の総称であり、病気というよりは「高所で生じる諸症状」と考えた方が適切です。
この高山病は、症状の大小・強弱を考えると、全ての人が何らかの高山病に、高所では罹っていると考えて良いでしょう。この症状には、個人差が非常に大きく、その時の体調が大きく作用します。つまり、高山病にならない人は、まずいないということを認識するのは重要です。たまたま症状が出ていないか自覚症状に出ていないだけなのですが、遺伝的または身体的に強い体質があることは事実です。

「高所」の定義

高所とは一般的には標高2,500m以上の高さの地域を指します。実際に深刻な症状が出得る標高の目安は(もちろん個人差があります)、富士山を目安に、3,500~3,800m以上に「宿泊」するかどうかです。
たとえば、ペルー・ボリビアで言えば、標高0mのリマから、標高約3,400mのクスコに上がり、そのまま宿泊すると高山病の症状が出やすくなります。いったん昼間はクスコで体を慣らし、標高約2,800mのウルバンバ谷に降りて宿泊をできると、理想的な高度順応のペースと言えるでしょう。
そして、翌日は標高をさらに下げてマチュピチュへと向かいます。緩やかに高度順応をしながら、マチュピチュからクスコへと再び標高を上げると、初日とは違い、楽にクスコの標高に順応可能です。ここでうまく順応ができていると、ボリビアのラパスやウユニの標高約3,800~4,000mの地域には容易に順応可能です。

無数の因子で引き起こされる「症状」の総称

ただし、この高所順応には、予防の正しい道筋があり、また何らかの症状は必ず出てきます。その都度、どのように対応したかが重要です。高山病という症状は、ちょっとした油断や弱さにつけ込み、そこから一気に勢力を強めるようなしたたかなものです。この高山病に罹らない方もまたいませんので、油断すればどなたでも罹ります。
高山病に対して、強い方・弱い方がいるのは事実なのですが、特定できないほどの様々な因子が作用して発症することを理解する必要があります。
そして、それらの諸症状に誤った方法を取れば最悪の場合には生死に及ぶ問題となり、逆に基礎知識があれば最大限に(その都度の状況により異なりますが)その可能性を低くすることもできます。

重要なのは「宿泊高度」

高所で、“宿泊”するかしないかは、大きな違いです。高山病の発症には、時間差があります。軽度の症状はすぐに発症させることはできますが(正しい予防措置をしないことで)、基本的には半日ほどの時差の後に発症すると考えましょう。その発症前に、いったん2,000m台の地域に降りることは非常に有効です。体は3,000m以上の空気を経験したうえで、標高を下げるので高度順応には理想的です。
では、宿泊の何が良くないのか。睡眠をするとき、体は呼吸数を下げます。この呼吸数を下げることが、高所順応に逆行しています。呼吸数が減ると、体内の酸素が減るからです。そう考えると、軽度の症状で睡眠障害が出るときには、そのままで良いでしょう。高山病が悪化して体調が悪くなるよりは、高度順応するまで寝不足が続く方が、体にとっては良いからです。
したがって、睡眠の中でも、熟睡はさらに良くない事となります。熟睡は呼吸数が著しく落ちるからです。体調が悪いことで、昼間は休憩として眠ってしまう方がいますが、これは逆に高山病を悪化させる可能性を秘めています。
また、寝るにしても、枕を高くすることは重要です。頭が低ければ、なおさら少ない酸素が頭部に行かないからです。高山病の発症に一番影響を与えるのは頭部の酸素不足です。もし少し苦しくて眠れないのであれば、一度起き上がり、壁に寄っかかるように体を起こして休むことをお勧めします。

高山病の諸症状

【軽度】

頭痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、睡眠障害、胃腸機能の低下、むくみなど、初期症状には様々な症状があります。普段よりも心が高揚している時は、その高揚自体にも注意が必要です。その高揚を放っておくと、予防措置を大きく妨げて一気に症状が出ることがあります。高所の絶景を前に、興奮すべき場所ではありますが、いったん心を落ち着けるように声をかけるもう一人の内面の自分も必要です。
これらの症状にも大小があります。なんとなく頭の隅が痛い、お腹の調子が少し悪いなど、これは現地の油が原因であったり、別のきっかけはあるでしょうが、やはり遠因は高山病にあることが多いです。この時点で自身の体調の変化に、高山病を認識して予防できると良いです。

【重度】

脳浮腫、肺浮腫、意識混濁など。これらの症状を感じさせる深刻な症状の時には、ただちに低地に下りる必要があります。それができない場合には、応急処置として酸素吸入をすることも推奨されます。
酸素吸入の積極的な使用を、お勧めできない理由
しかし、酸素吸入をする状況では、それ以上の高所順応は難しいでしょう。酸素吸入で体を補助することで、体は高所に順応することを放棄しているからです。症状が軽度であれば、酸素吸入はせずに、下記の予防措置を講じるのが一番です。酸素吸入は最後の手段と考えましょう。
たとえば、富士山では、多くの登山者が酸素吸入を行っているのを見受けますが、富士山の標高であれば、酸素吸入を行わずに登山は十分に可能です。酸素を吸いながら登山を行っていますが、それはご本人の体には大変な負担であり、下山しない限り一向に体調は良くならないはずです。
それでは酸素吸入をしないでどう登るか、引率者の存在が最も重要です。正しいペースと予防措置を行うアドバイスをする引率者がいれば、例えば富士山であれば酸素吸入は普通考えにくいです。もちろん、その都度の条件次第ですが。

ガイド・引率者の重要性

これらの症状が軽度であっても、運動や飲酒、または睡眠導入剤の服用は、劇的に高山病を悪化させることになり得ますので、十分すぎるほどの注意が必要です。しかし、順応が適切であれば、滞在している標高と自然環境までを考慮するのであれば、お酒は必ずしも禁酒というほどではありません。近くに正しい知識と経験を持つガイドがあれば、指示に従い、飲酒するかどうかを決めるのをお勧めします。
さらに重度の場合には、ガモウ・バッグ(携帯型加圧装置)を使用する事態も考えられますが、正しい予防措置を行っていれば、標高約4,000m前後の高所では、そこまでの悪化は考えにくいです。

高山病の予防措置

高山病の症状の発症には、個人差があります。発症する高度にも個人差があります。個人差は体質という素質だけではなく、その日の体調の個人差でもあります。その日の体調は最も重要です。もし体質が高所に強い方がいても、風邪をひいていたら、状況はかなり不利になります。
その意味では、日本を出国した時に体調はどうであったかは、非常に重要です。出国時に体調が良いためには、普段の生活をどのように送っているかも関わってきます。

痩せ身は強い

高山病には、酸素の欠乏が原因ですので、筋肉隆々の方ほど、体が使用する酸素が多いと考えられます。痩せ身で筋肉の少ない体の方が、燃費が良く高所には強いと考えられます。

高山病予防措置 8つのポイント

体調を整える

高山病の発生には体調が大きく影響するので、余裕のある日程で行動しましょう。特に出国時までの体調管理は重要です。風邪をひいたまま高所に行くと、体質の強い方でも高山病の症状が大きく出ることが多いです。

ゆっくり動く

高山病は到着の直後には発症しません。呼吸数が落ちて酸素の体内循環が悪くなる睡眠中に発症するので、翌朝に発症することが多いです。特に影響を感じなくても、ゆっくり動くことを心がけるのは重要です。特に、走らないことです。初日に元気な人ほど、翌日から急速に体調を悪くすることがあります。

水分を十分に摂取する(アルコール以外)

乾燥した空気と低酸素による呼吸数の増加により、脱水症状が起こります。水分は多めに摂取してください。アルコールは控えめにしましょう。極端ではありますが、3000mにいる時には1日3リットル、4000mでは4リットル飲むことをお勧めします。トイレが近くなり、就寝中に何度も起きることになりますが、それでも水分はたくさん摂りましょう。

深呼吸をする

深くゆっくりと呼吸をする事は、重要な予防法です。深呼吸にも上手い・下手があります。下手な深呼吸をしても、いっこうに体内の酸素濃度は上がらないです。効果的な深呼吸をできるようにすることは重要です。
血中酸素を計れるパルスオキシメーターがある場合には、血中酸素の状況を見ながら、深呼吸をすると、酸素濃度の変化がよく分かります。上手い深呼吸を1,2分していると、血中酸素はみるみる10%前後も上がるからです。深呼吸を頻繁に行うことは、非常に重要です。

食事は控えめにする

胃腸の機能が弱くなっているので、腹8分目で押えておきましょう。現地は油なども使い回しなどが多く、食べ物も馴染みがないですので、それだけでも胃腸に負担をかけています。高所では胃腸機能が下がることを認識して、くれぐれも食べ過ぎに注意が必要です。下痢することで、体の水分を失い、脱水症状を起こし、それが高山病の悪化へと繋がります。

アルコールも控えめにする

アルコールの回りが早いので、高所での飲酒は要注意です。酔うと呼吸が浅くなります。そして、体内の酸素が不足することになるからです。高所での飲酒そのものが悪いわけではありませんので、引率者のアドバイスは一番重要です。

体を温める

体が冷えると影響がすぐに出るので、常に多めに着込みましょう。特に、頭部が冷えると高山病の悪化につながります。毛糸の帽子や手袋、ネックウォーマーなど、体の末端を温める防寒具は常に携帯して、着脱を一日の内でも何度も行うようにしましょう。
高所は日差しも強いです。快晴時には気温が上がり光線が強いので、つば付きの帽子を使用します。曇天時には、すぐに気温が下がるので、毛糸の帽子をかぶります。
高所では天候の変化が激しいですので、防寒具の着脱はいつでも行えるように準備をして、重ね着で対応します。厚手の防寒具を一枚持つよりも、重ね着の方が推奨されます。

予防薬の使用

脳の呼吸中枢を刺激することで、呼吸を促進し酸素の吸収を増やします。副作用としては、利尿作用があるのでトイレが近くなりますが、脱水症状を防ぐために水分をより多く摂りましょう。また、手足の末端部にしびれを起こすことがあります。医師の処方が必要な薬ですので、慎重かつ適切に使用する必要があります。
テント泊の高所トレッキングでは携帯が推奨されますが、アンデス高地の観光や日帰りハイキング程度では、基本的には薬の所持までは必要ないと思いますが、個人差や経験によりけりです。

引率者や企画者のアドバイスが重要

長文でご案内しましたが、高山病に関しては、まだ書き足りないと思っています。
高所へのご旅行や登山、トレッキングをする方には、行程の企画立案者や引率者に、しっかりと相談してください。その都度の体調も踏まえて相談することが、一番重要なことです。

アンディーナトラベルの山岳手配

アンディーナトラベルが手配する高所トレッキングでは、十分な高山病の知識を持ったスタッフがご案内しています。現地では、高所での安全管理に経験を持つガイドと事務所がサポートすることで、万全な体制を整えています。

グアテマラの就学支援:「青い空つうしん」が届いた

レンソイス縦走トレッキング:2015年のベストシーズンとは

プーマオンラインストア
パタゴニア
2019年3月
« 2月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

パタゴニア

最近の記事

ビックカメラ.com

アーカイブ

PAGE TOP