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アンデス高原の民族衣装:インカ直系の子孫、ケチュア族とアイマラ族

アンデス高原の主役:ケチュア族とアイマラ族

南米アンデス山脈は、南米大陸を貫く長大な山脈です。地域により住む人種も風景も全く異なるのですが、インカ系の人々が住む地域は、南米で最も広い範囲に及ぶでしょう。
ペルー・ボリビア・エクアドルを中心に、コロンビア、アルゼンチン北部、チリ北部、それぞれ標高2000~4500mの高原に住むケチュア族とアイマラ族は、インカ文明以前のプレ・インカ時代から根っこを同じくする兄弟のような2大部族です。
モンゴロイド系の彼らは、かつて1万年前にベーリング海峡が地続きであった時代にアラスカを経由してやって来た人々の子孫です。

プレ・インカ時代から伝わる多彩な民族衣装

アンデス高原のケチュア族とアイマラ族は、カラフルな民族衣装を今もまといます。地域や村によって、帽子やスカートなどに違いがあり、それは万華鏡を見るかのうように多彩なバリエーションです。
人々はなぜこんなにカラフルで独創的な衣装を作ったのだろうか。これだけ多彩な民族衣装に溢れる地域は、世界でもおそらくアンデス高原だけなのではと思います。

簡単にまとめられないほどに地域ごとの特性があるので、今回の記事はペルーの民族衣装をイメージして書きました。
それほどに多彩で奥が深いのは、民族衣装の小さな一つ一つの部分にそれぞれ物語や神話があるからでしょう。

帽子で紐解く新大陸とアラビアの歴史

帽子は地域によりデザインが異なり、一番個性的な民族衣装の一部でしょう。男性は多くは「チューヨ」と呼ばれるニット帽を被ります。
女性の帽子で特に多いのが山高帽でしょう。16世紀以降スペインの侵略によりもたらされた男性の帽子が、アンデスでは女性に広く被られるようになりました。
帽子がそれほどに普及したのは、プレ・インカ時代から、女性は派手な帽子を被る伝統があったからです。ペル-のクスコ周辺部、ウルバンバ谷やアウサンガテ山群、そしてチチカカ湖にかけての高原地帯では、女性は斬新なデザインの帽子を被ります。ヨーロッパ調の帽子とは全く異なるデザインは、それがヨーロッパ人が来る前から使われていた帽子を意味します。

特に興味深いのは、チチカカ湖の島に住む人々の女性です。女性は黒いショールを頭から被ります。このショールは、アラビアから伝えられた伝統です。かつてチチカカ湖を支配していたスペインの貴族はスペイン南部のアンダルシア地方の出身でした。アンダルシアは15世紀までイスラムに支配されていた地域で、そのアラビアの文化の一つとして、黒いショールを頭から被る伝統が、遠く南米アンデスにまで及んだのです。

模様に彩られるショールやポンチョ

アンデスの人々のイメージでは、ポンチョを羽織る人々でしょう。ポンチョの生地には、リャマやアルパカの毛を使用します。女性はショールを好んで羽織ります。
そこに織り込まれた模様は様々で、その地域ごとに大切な意味やメッセージを込めて古くから伝わるデザインなのです。
また、カーディガンを好んで羽織る人々もいます。

幾重にも布地を重ねたスカート

上着同様に多彩な模様で織り込まれたスカートは、特にボリビアでは幾重にも重ねてふんわりしています。
ボリビアでは、このスカートにカーディガンと山高帽をまとうアイマラ族の女性は「チョリータ」と呼ばれます。日本でいえば和服をまとう女性の愛称と言えるでしょう。

インカを象徴する七色の旗「ウィファラ」

アンデス山脈のカラフルな色使いは紀元前ともいわれるプレ・インカ時代に遡ります。アンデス高原に行くとあちこちでみかける七色の旗「ウィファラ」は、七色の正方形を組み合わせた、まさに虹を象徴する旗です。
これらの色には、大地や豊穣、そして時間や思想までを七色に込めた神聖な「虹」の色です。

この七色の「虹」の色使いが、ケチュア族やアイマラ族の人々の民族衣装のデザインのそもそもの始まりとなるのです。

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