Loading

風景写真家・松井章のブログ

ペルー・アンデスの保存食:ジャガイモの「チューニョ」

バラエティに富む「ペルー料理」

ペルーやボリビア、エクアドルはアンデス山脈という印象が強いですが、山岳地帯以外の特徴があります。
ペルー・エクアドルは、「アンデス山脈」の他に、「海岸地帯」と「アマゾン」です。ボリビアに関しては、「アンデス山脈」と「アマゾン」です。
これらの地域で採れる食材が混在することに加えて、アフリカ・アジア・ヨーロッパの移民の食文化が混じることで、バラエティに富む料理が完成しました。
なかでも、「ペルー料理」は世界のグルメから注目される美食に発展しました。

このペルー料理の基礎を成すのはインカの料理です。インカ帝国以前の先インカ時代より面々と数千年も続く食文化が土台にあるのです。

ジャガイモの原産地・アンデス山脈


ペルー・ボリビア・エクアドルを中心としたインカ系の文化圏では、今も古くから伝わるインカの食文化が残ります。
アンデス山脈に沿って版図を広げるなかで、アンデスの気候に最適化された食文化です。

インカの末裔であるケチュア族やアイマラ族は、標高3000m以上の過酷な自然環境に適応した山岳民族です。
彼らにとって欠かせない食物の一つは「ジャガイモ」です。ジャガイモの原産地はアンデス山脈なので、彼らのジャガイモの食文化は2000年以上も続くものです。

ジャガイモの保存食「チューニョ」は、アンデス山脈の気候を活かしたフリーズドライのような保存食です。

チューニョの作り方


チューニョを作るには、乾燥と冷温が重要ですので、冬の乾季に作業は行われます。
まず昼間に、地面からジャガイモを掘り起こして、そのまま干しておきます。そして、夜間には気温は氷点下に下がるので、ジャガイモは凍り付きます。
翌日の昼間になると、陽が射すと急激に気温が上がるので、ジャガイモは解凍されます。そして、夜間には再び冷凍される。

数日ほどこの行程を繰り返した後に、昼間に解凍されたジャガイモを足で何度も踏み、水分を全て搾り取ります。
最期に、自然乾燥させると「チューニョ」の出来上がりです。

このようにして作られたチューニョは、フリーズドライに近いほどに乾燥しているので、数年間は保存可能となります。

チューニョの食べ方


チューニョは乾燥して固いので、食べるためには、水でまず戻します。主にスープ料理に使用されます。

関連ページ:ペルー

「ペルー」ブログ記事集

「ペルー」ブログ関連記事集

インカ文明を支えた農作物「トウモロコシ」の不思議

南米の美食「ペルー料理」おすすめ13選

アンデス高原で人と供に暮らすラクダ「リャマ」

ペルーの伝統舞踏「マリネラ」

チチカカ湖の民族衣装:女性の多彩な帽子

南米アンデス山脈に生息する“4種類のラクダ”記事集

ペルー旅行専用ページTOP

松井章 写真事務所

フォトギャラリー:ペルー

動画「ペルー絶景集:悠久のアンデス山脈と世界遺産マチュピチュ、チチカカ湖へ」

YouTubeで公開していますので、ぜひご覧ください

==★チャンネル登録はこちらをクリック★==

【ブラジル絶景動画】水晶のレンソイス白砂漠2019:トレッキング+パックラフト編

ペルー・インカ極彩色の民族衣装:天然染料の手織物

関連記事

  1. 「ボリビアの聖峰イリマニ」夕日・夜景の山岳写真/色のバランス

    2021.11.08
  2. ウユニ塩湖の里山風景・コケサ村にて

    2023.03.18
  3. ボリビア・ウユニ塩湖の聖なるサボテン島「インカワシ」の絶景

    2018.01.13
  4. モアイの森から草原ハイキング – イースター島最高峰テレバカ山

    2018.05.12
  5. BA Styleコラム12月号:ブエノスアイレスの春「ジャカランダ」

    2021.12.08
  6. チチカカ湖「太陽の島」:ボリビアの聖なる島の暮らし

    2023.04.07
パタゴニア
2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP