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多彩なペルーの魅力をシリーズで解説します
“世界七不思議”の一つに数えられるマチュピチュ遺跡を始め、南米ペルーには多彩な魅力があります。ペルー旅行と言えばマチュピチュなどの古代遺跡が広大な国土に無数にあるだけではなく、アンデス山脈の核心部ではヒマラヤ山脈並みの山岳展望を有し、チチカカ湖には乾燥した大高原アルティプラーノが広がります。
一度のペルー旅行だけではとても語りつくせない、ペルーの魅力をシリーズで紹介していきます。
約400年も隠された謎の“空中都市”マチュピチュ遺跡
インカ帝国の隆盛の時代(15世紀頃)に建造されたマチュピチュ遺跡は、言わずと知れたペルー最大の観光地です。
神殿都市として、まるで隠されるようにアンデス山脈の険しい山中に建造されて、インカ文明の結晶のような存在でした。インカ文明は字を持たなかったので、今もなお正確なマチュピチュ遺跡の役割は謎に包まれています。
険しい山脈の尾根上(標高2700m)にあるために、周囲からその存在を見ることができなかったために、1911年のハイラムビンガム探検隊による発見まで、約400年も密林に埋もれていたのです。
そのことから、マチュピチュ遺跡は「空中都市」と呼ばれることがあります。
マチュピチュ遺跡で最も美しい時間:朝日と夕日
世界中のツーリストが訪れるマチュピチュ遺跡で人が少ない時間帯は早朝と夕方です。この時間帯には、朝日や夕日に映えるマチュピチュ遺跡を展望できるでしょう。
特に朝日は美しく、朝日の最初の一線がマチュピチュ遺跡を照らす時、遺跡は橙色に輝くように闇から浮かび上がります。ペルーはほぼ赤道直下にありますので、6:00の開場と同時に入場すれば、朝日に照らされたマチュピチュ遺跡を見ることができるでしょう。
マチュピチュ遺跡の核心部
遺跡で最も神聖な場所はほぼ中央に位置する「太陽の神殿」と「インティワタナ(日時計)」の周辺です。神聖な部分は、石組みは精緻となり、カミソリをも通さないほどに組まれています。
神官たちはこの核心部で祭祀を行い、太陽から暦を読み取り、各地の農業の指針となる刈り入れ時期や、インカ帝国を左右する重要な政事を担っていたのかもしれません。
王の台座:ワイナピチュ山
マチュピチュ遺跡を象徴するシンボルといえば、遺跡の背後に聳える岩山でしょう。このワイナピチュ山は、山頂までインカ時代の道が続き、今も登山道として利用されています。この急斜面の山肌も上部は遺跡に覆われています。かつて山頂部には王の台座があったともいわれる神聖な山です。
登山道は気を付けていれば約2.5時間で往復できますが、登山許可は必要となります。入山人数は1日200人に限定されています。
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段々畑“アンデネス”
マチュピチュ遺跡と言えば、段々畑をイメージする人も多いでしょう。山の尾根上のマチュピチュ遺跡から谷底までの標高差約400mの急斜面はほとんどが、この段々畑(アンデネス)に覆われています。今もまだ全てが発掘されたわけではないので、多くの部分が密林に埋もれたままです。すべてが発掘されて姿を現すのは数十年先となるでしょう。
マチュピチュ隣接の高級ホテル「サンクチュアリ・ロッジ」
マチュピチュ遺跡の入口にある唯一のホテル「サンクチュアリロッジ」は、南米で5星ホテル・チェーンを売寧するベルモンド社の高級ホテルです。
通常は、谷の底にあるマチュピチュ村を基点に、シャトルバスで山上のマチュピチュ遺跡に登ってくる必要があります。このサンクチュアリロッジであれば、入口に隣接しているので、人の少ない閉場間際の夕方や、朝一で朝日の時間にマチュピチュ遺跡にいることができます。
マチュピチュ遺跡へ続く参道:インカトレイル
聖なる都市として、インカ帝国でも特別な地位の人のみが訪れたであろうマチュピチュ遺跡は、秘密の都市でした。そのことから、スペイン人が16世紀前半にインカ帝国を徹底的に破壊・侵略した時にも、マチュピチュ遺跡はスペイン人に知られることがなかったのです。
そのマチュピチュ遺跡へ続く道をインカ道、またはインカ・トレイルと呼びます。このインカ道は、首都クスコを中心に南米大陸中に張り巡らされていましたが、マチュピチュ遺跡へ続く道は最も神聖でした。マチュピチュ遺跡へ続くインカ道は、いわば「参道」としての役割でした。そのために、マチュピチュ遺跡へ続く行程もまた考え抜かれ敷設されたのです。途中にはいくつもの関所の遺跡や大規模な遺跡が散らばり、マチュピチュ遺跡へ近づくほどに道は精巧になっていきます。
この区間もまた、スペイン人の発見を免れていた貴重な区間で、数万キロにわたるインカ道のなかで唯一、手つかずの状態で今も保存されています。
このインカ道の神聖な区間を歩く3泊4日のトレッキングがインカトレイル・トレッキングです。
インカトレイルのゴール“太陽の門(インティプンク)”
インカトレイル(インカ道)は、目的地のマチュピチュ遺跡への過程も考えつくされています。ゴールの太陽の門(インティプンク)をくぐると、目の前に突然マチュピチュ遺跡が現れます。3泊4日のトレッキングを経てたどり着くと感動もひとしおですが、マチュピチュ遺跡から太陽の門へ歩くのもお勧めのハイキングコースです。
太陽の門から望むマチュピチュ遺跡の全景は、ここからしか望むことができない絶景であるからです。
マチュピチュ遺跡の滞在時間と入場規定
ツーリストが急増しているマチュピチュ遺跡では、入場者のすべてが公認ガイドとの入場が義務付けられ、滞在時間も決められています。
滞在時間は最大4時間となり、入場時間・退場時間もそれぞれ決められています。朝は6:00から開場し、夕方17:30に閉場しますが、再入場もできませんので、原則1回のみ4時間の滞在となります。
シリーズ:ペルー旅行の魅力を解説
下記は、記事にする予定です
- インカの古都クスコ(次回)
- “天空の湖”チチカカ湖
- アンデス随一の山岳展望:ブランカ山群のワスカラン国立公園と熱帯氷河
- “第二のマチュピチュ”チャチャポヤス
- ナスカの地上絵
- アマゾン・クルーズ
- “100年に一度だけ花を咲かせる”プーヤ・ライモンディ
- “インカ皇帝の避寒地”ウルバンバ谷
- “世界に注目される美食”ペルー料理