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風景写真家・松井章のブログ

日本人が貢献した「チリ・サーモン」の歴史③

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日本の食糧の安定確保のため、またチリへの技術協力として行われた壮大な計画が、サケ・マス“移植”事業でした。
日本によるチリへの移植事業(JICA)の試みは、1974年に始まります。中部パタゴニア・アイセン州のコジャイケに「シライシ孵化場」が建設され、シロサケとサクラマスの卵が日本から持ち込まれます。コジャイケは、河口から約50キロ内陸にあるアイセン州の小さな州都です。
孵化場の建設の後には、河口のフィヨルドにイケスも建設されます。当時のイケスの役割は放流前の海中飼育でした。
孵化場での放流前の飼育研究は8年に及び、そののちに約900万尾の稚魚が放流されることになります。結果は残念なもので、成魚としての帰還はなく消失してしまいます。
日本の努力はさらに続き、稚魚の飼育を海のイケスに引き継ぎ、海中飼育の後に放流するという計画で続けることになります。
実際には、成魚の川への帰還がわずかながら現れます。いよいよサケの遡上かと思われましたが、回帰したサケの全てが河口のイケスから逃げ出したサケであったそうです。
放流したサケが太平洋の外洋に出て母川に回帰するという「完全回帰」は、途方もなく難しい試みであるのでしょう。
そうして、内陸のコジャイケ孵化場の役割は終わり、放流・定着を目的とする移植事業は終了となります。
後年、アイセン湾の河口のイケス養殖研究には、チリやノルウェーの企業(日本企業は、マルハニチロ)が参入してきます。そして、自然への定着ではなく、イケスでの「卵から成魚まで」の完全な“養殖”事業として、いよいよ大きく発展することになります。
(続く)
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中世の雰囲気を今に残す、幸せの国・ブータンに行く理由とは

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