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“地の果て”パタゴニアが人の心を揺さぶる3つの魅力

南米大陸の南端部に広がるパタゴニア地方は、南緯40~50度、南北1600kmに広がる荒野「地の果て」の総称です。魅了された人は憑りつかれるように世界観を揺さぶられる、そんなパタゴニアの魅力を3つの要素で考えてみます。

①地平線まで広がる大草原“パンパ”

地平線まで広がる荒野(大草原)“パンパ”は延々と続き、2~3日ほど車で移動しても景色が変わらないほどに、“広大無辺”です。空は押しつぶされるような圧迫感さえも感じるほどに大きく、視界の大半を空が占めています。

黄土色の草原には、ときおりラクダ科のグアナコやダーウィンレアという小型のダチョウを見る以外には、ほとんど生き物の気配もなく、ここが文明社会の私たちの世界と同じとは思えないほどに、単純で静寂・広大な世界なのです。

大航海時代以降、近代までは魔物の住む世界としてヨーロッパ人に畏れられていたのは、この広大な草原に飲み込まれることに畏れを抱いたのかもしれません。探検家マゼランは「巨人の国」「火の国」と呼び、ヨーロッパでは“逆さま人が住む異世界(一種の地獄)”と考えられていました。

現代に入ると、この草原の独特な雰囲気に、イギリスの伝記作家ブルース・チャトウィンが憑りつかれます。何もない“地の果て”の茫漠とした世界観と、この地に住む人々の物語性のある佇まいから、旅行伝記「パタゴニア」を書きました。

何も無い大草原に最もパタゴニア的な魅力を感じる人は僅かですが、それでもこの地を訪れた人がパタゴニアの思い出を振り返れば、まず最初に思い出すのはきっとこの大草原“パンパ”の印象でしょう。

②アンデス山脈:針峰群と氷河

パタゴニアの西部を南北に縦断するアンデス山脈は、パタゴニアをパタゴニアとした全ての源です。隆起による造山運動で屏風のように2000~4000mの山脈が形成されました。

南極から流れてくる湿った偏西風は、この山脈に当たることで、世界でも有数の氷河地帯「パタゴニア氷原」を造り出しました。世界で3番目に大きい氷の塊で、南北2つの氷原を繋ぐ約450キロあまりの氷の回廊は、約300以上の氷河の源流となっているのです。

そして、山脈で湿度が落ちることで、山脈より東側を極度に乾燥化させて、現在の荒涼とした大草原が生まれました。

パタゴニアのアンデス山脈の魅力は、針のように聳える針峰群です。固い花崗岩が長い年月をかけて隆起する中で風雨に晒されて、天を突く独特な峰々はまるで神の采配でデザインされたかのようです。

フィッツロイ峰、セロトーレ峰、そしてパイネ山群は、多くの人々に神格化・アイコン化されています。

開拓時代には、キリスト教の神父・アゴスティーニがパタゴニアの山に魅了されて、生涯を未踏の山域の探検と写真撮影に尽くしました。パタゴニアにおいて、アゴスティーニ神父の残した功績は偉大なもので、今もなおパタゴニア人にとって誇りの存在です。

探検記「パタゴニアン・アンデス」は探検記としてだけではなく、貴重な写真資料は山や氷河以外にも森羅万象、滅びゆく先住民にまで広範に及びました。
その偉大な著作からはパタゴニアへの計り知れない愛が伝わることで伝説的な存在となっています。

そして、イギリスの探検家エリック・シプトンもまたパタゴニアに魅了された一人で、幾度も探検を繰り返し探検記「嵐の大地」を残しました。

③パタゴニアの暴風

南極から吹く偏西風は、パタゴニアのすべてを支配しています。
ときにパタゴニアが「風の国」と表現される所以です。日本でいえば、台風の時にしか吹かないような風が常に吹いています。ときには大柄な男性でも立ち上がることさえできずに這うほどに、苛烈な暴風です。

木々もまた風に対抗することはできず、風の吹く草原では、偏西風の風向きに合わせて大きく傾いた木をよく見るでしょう。

大きな空を見上げれば、強風に吹かれた高積雲「レンズ雲」が不思議な形で空に漂います。これらの雲は、朝日や夕日の時間には、ときに異次元的な風景を演出します。

摩訶不思議な雲はパタゴニアのまだあまり知られていない名物ともいえますが、このレンズ雲は暴風が作り出しているのです。

パタゴニアにいると草原にいても山にいても、暴風は常に吹くので、いつしか自然なものとなります。風の吹かない場所にいると逆に違和感と寂しさを感じてしまうほどです。
南極から吹く風は冷たく厳しいものですが、ひとたび風に順応すると、その風に大きな親和性を感じるのです。

パタゴニアに魅了された人々にとっては、きっとこの風もまた大事な要素と考えるに違いありません。

南米大陸において、パタゴニア地方は一種独特な地域です。南極から吹く風(源は南極還流)の影響が強いことから「亜南極」と呼ばれます。

南米という一般的なイメージとは大きく異なるパタゴニアは、ある種の人を虜にする魅力を持っています。自身がパタゴニアにどう影響されるものか、やはり訪れてみなければ分からない一種独特で哲学的な土地なのです。

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