Loading

PHOTO-BLOG

アルゼンチン伝統料理:牛肉のアサードと大草原パンパ

アルゼンチン伝統料理「アサード」とは

アサードは、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの国民的な伝統料理です。スペイン語で「焼かれたもの」を意味して、無骨な鉄網か焚火で焼きます。どちらも共通していることは、熾火のように弱い火で遠赤外線で長時間かけて焼く点が、ブラジルのシュラスコ(シュハスコ)との違いです。味付けは岩塩を振りまくだけで、何時間もじりじり焼きます。岩塩だけとは思えない深く洗練された味の秘訣は、アルゼンチン人の肉への愛と、大草原パンパで放牧されて育った高品質な牛によるものです。
食事のメインはお肉というのがアルゼンチンの常識です。全国民がそれだけ肉に全神経を集中しているからこそ、完成度の高い「アサード」という食文化が生まれたのでしょう

欧米ではアルゼンチン産の牛肉はトップ・ブランドとして人気で、多くのアメリカのレストランはアルゼンチンから高級肉として牛肉を輸入しています。畜産国として有名なアメリカは自国の肉は日本に輸出しておきながら、自分たちはアルゼンチンから輸入して食べているのです。

アサードの本来の目的

アサード専門店を始め、牧場(エスタンシア)でアサードを食べるのがツーリストにとって一般的ですが、アルゼンチンの人々は各家庭や仲間同士で行います。週末の重要なイベントなので、庭のある家庭ではだいたいアサードの巨大な設備を備えているものです。
焼き始めてから実際に食べるまでは3、4時間かかるのは普通ですので、本来のアサードは食べるという目的の以前に交流の場としての役割が大きいのです。

お肉以外でアサードで焼かれるものは、「サルシーチャ」や「チョリソー」というソーセージや、「チンチュリン」という小腸、「モルシージャ」という血のソーセージです。野菜を焼く習慣はないので、鉄網の上には、肉だけがずらりと並びます。
魚のアサードはラプラタ川のごく一部で食されますが、肉のアサードのような洗練された味はないので、アサードといえば「肉」と考えるべきでしょう

本場の「チョリソー」の味とは?-アルゼンチン&ブラジル-

牛肉のアサード

アルゼンチンの大半で食されているのは、牛のアサードです。様々な部位を食べますが、なかでも最も人気なのは、サーロイン(ビフェ・デ・チョリソ)でしょう。ヒレ肉(ビフェ・デ・ロモ)、リブロース(ビフェ・アンチョ、またはオホ・デ・ビフェ)も人気です。

アサードの頂点:パタゴニアの羊肉

アルゼンチンの草原の大半で飼育されるのが牛ですが、南緯40度以南のパタゴニアでは、その厳しい乾燥気候から、牛よりも羊の多い土地となります。高級でありますが、羊のアサードは、アサードの頂点というべき存在です。ブエノスアイレスなどの都会で食べることもできますが、冷凍で輸送することで、また美味しい肉はパタゴニアで消費されてしまうことから、基本的には羊のアサードはパタゴニアで食べるものです。

パタゴニアだけに自生するコイロン草を食べた羊のアサードは、世界で注目されています。
※下記は、「羊のアサード」の記事集です。

「羊のアサード」関連記事集 

アサード発祥の地:大草原パンパと牧童ガウチョ

アルゼンチンは約300km以上もの長大な海岸線を持っているのに、魚を食べることがほとんどない国です。
これはスペイン統治時代の影響が大きいでしょう。

ヨーロッパの大西洋側から上陸したヨーロッパ人は、ブエノスアイレスを基点にアルゼンチン各地に散らばって行きました。チリ国境までほとんど山脈の無いアルゼンチンで、スペイン人は西へ西へと800キロ進んでも大草原が広がっていました。

たとえ海岸線で海産物を取っても冷蔵技術の無い時代には、内陸に運ぶことは不可能であったのでしょう。最初のスペイン人たちは黄金を求めてやって来たので、そもそも海岸線での生活に興味もありませんでした。
その後、アルゼンチン独立前後から、牛の放牧が盛んになり、広大な草原パンパはお金になることに多くの人々が気づき、アルゼンチン政府の開拓政策により内陸の草原は隈なく分割されて、移民に配られました。スペインやイタリアを始め、ヨーロッパ各地から大量の移民が押し寄せた時代です。首都ブエノスアイレスは南半球で最も栄えた都市として数十年ほど繁栄を極めます。

アルゼンチン独立から移民が押し寄せる時代にかけて、大草原パンパで牛を追っていたのが牧童「ガウチョ」です。巨大な牧場では杉並区ほどの大きさの牧場で、数千頭の牛を追いながら生活していたガウチョは、アルゼンチンの食生活を支え、アルゼンチン独立の時代には一大勢力として独立に寄与しました。
このことから、牧童「ガウチョ」はアルゼンチン独立の象徴なのです。「アサード」という焼肉も、本来はガウチョ達が草原で野営をしながら、肉を焼いていたのが始まりです。
ガウチョが独立のシンボルとして賞賛されるなかで、「アサード」という食文化はアルゼンチン中に広がりました。

「アサード」は、アルゼンチンの人々にとって、どれほど大切な食事であるかも、歴史を踏まえると理解できるでしょう。

関連ページ:アルゼンチン料理

南米3大祭り:インカの祝祭・太陽の祭り(インティライミ)

アンデス高原で人と供に暮らすラクダ「リャマ」

関連記事

  1. ウプサラ氷河とクリスティーナ牧場⑦ 氷河展望の丘

    2015.10.31
  2. トレッキング・登山に最適:パタゴニアの2つのレインウェア

    2017.04.13
  3. 初冬のパタゴニアと季節の変化 -フィッツロイ山麓エルチャルテンにて

    2017.08.16
  4. アルゼンチン:ツーリストへの免税で目指す観光立国

    2017.04.20
  5. フィッツロイ山麓の氷河トレッキング:新ルート『カグリエロ氷河』

    2017.08.11
  6. 南米最高峰アコンカグアへ②:ベースキャンプ -コンフルエンシア

    2018.03.03
パタゴニア
2019年11月
« 10月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

パタゴニア

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP