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インカ文明の星座観:暗黒星雲の生命描写とアンデス神話

ユーラシア大陸とは異なる「新大陸」の世界観

固定概念や発想によって、世界の見え方はトリックアートのように異なって見える。
ユーラシア大陸と新大陸の文明を比較すると、インカ文明がとてもユニークに見えてしまうだろう。
たとえば、日本からヨーロッパまで「車輪」という概念は当然のことだが、インカ文明には車輪がそもそも存在しなかった。「馬」が存在しなかったので、動物に乗るという概念も存在しなかった。

ユーラシア大陸の東西の端っこ同士(日本とヨーロッパ)が接触したのはつい数百年前のことだが、お互いの文明の根底に根差す「車輪」「乗馬」「ゼロの概念」などは、媒介者を経て既に広く共有されていたのだ。

インカ文明の星座観


インカ文明における「星座観」は捉え方が全く異なるので、発想がそもそも違ったことに気づかされることの一つだ。

星座と言えば、星と星を繋げて図像が表現されるが、インカ文明では正反対に考えられていた。天の川の黒い染み(暗黒星雲)の形で表現されていたのだ。

写真中央の細長く延びる2本の暗闇は、「牧童」が両腕を振り上げ、リャマやアルパカを追う姿だ。その右の大きな暗闇は分かりづらいが、人の足元にいる「狐」を表す。
写真右上の大きな暗闇は、野を駆ける「リャマ」を表す。あまりにも星空は大きくて、長い首から頭にかけては写真に入りきらなかった。

根っこが違えば、世界の捉え方もきっと無限に多様だが、その星座に見た想いは世界共通なものだろう。

その土地に根差した人や生命の躍動的な姿を星空に投射して出来上がったのが、万物への畏敬の表現、つまり世界中に残る「神話」だったのではないだろうか。


▲アンデス山脈の秘境・ワイワッシュ山群、最高峰イェルパハ(6634m/右)、鋭鋒ヒリシャンカ(6094m/左)を展望する大展望のキャンプ(4500m)にて

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