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風景写真家・松井章のブログ

ボリビア・チチカカ湖畔の聖地「コパカバーナ」

古代文明のゆりかご・チチカカ湖


標高3700mにあるチチカカ湖は、2000年以上も前から人の暮らしといくつもの古代文明の勃興を見つめてきました。
東京都の4倍くらいの面積があるチチカカ湖は、現在ではほぼ中央部に国境線があり、西はペルー、東はボリビアとなります。

キリスト教の聖地・コパカバーナ


チチカカ湖東岸(ボリビア側)で中心となるのが、コパカバーナの町です。
ここから船に乗り、“インカ発祥の地”として有名な「太陽の島」に行くことができます。そして、コパカバーナ自体もキリスト教の聖地として、ボリビアでは重要な町です。

「コパカバーナ」はリオデジャネイロにあるビーチの名前で知られますが、オリジナルとなるのは、こちらボリビアのコパカバーナです。
ボリビアのコパカバーナの教会の聖母は、南米のカトリック教徒に篤く信仰されていて、リオデジャネイロのビーチ名はこの聖母を祭る教会がリオに建てられたのを記念してつけられました。

コパカバーナの教会は、今もキリスト教徒の巡礼の聖地として知られ、守護聖人の日とされる8月6日には、ボリビアだけではなくペルーからも巡礼者が訪れます。

古代から続くコパカバーナの歴史


2000年以上の歴史を持つチチカカ湖の沿岸部で、コパカバーナはキリスト教以前の古代文明の時代から、もともと聖地とされて信仰の対象でした。実際に古代文明の遺跡がいくつも見つかっています。
そして、すぐ近くには2000年ほど前に栄えたティワナク文明の大規模な宗教遺跡もあることからも、人々の信仰の対象として長い歴史があることをうかがわせます。

ペルーのクスコを中心として生まれたインカ帝国のケチュア族は、チチカカ湖から東側に暮らすアイマラ族を取り込むことで飛躍的な発展を遂げました。この時に、インカ帝国は、ケチュア族とアイマラ族の統合を象徴するかのように、コパカバーナの沖にある「太陽の島」を“インカ発祥の地”として聖地にしました。

コパカバーナの教会は、16世紀にスペインの侵略の後で、ボリビアの守護聖人である聖母を祭り建てられました。このコパカバーナを象徴する聖母像は、インカ帝国の末裔である王族がキリスト教に感化されて作ったと言われます。この聖母による多くの奇跡が起こるなかで、南米のなかで特別な聖母として、コパカバーナは有名になったのです。

かつてはキリスト教による信仰の支配が行われていた時代がありますが、今はそのキリスト教はもともとあった地元の信仰と混じりあうようにして、人々の心を支えています。
8月6日などの重要な日には、先住民の伝統的な踊り(カーニバル)が、キリスト教の祭礼とともに行われています。

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