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風景写真家・松井章のブログ

パタゴニアの伝説的な探検家 デ・アゴスティーニ神父①

英雄的な探検家にして写真家、そして神父

パタゴニアが未開の時代に数多くの写真を残したデ・アゴスティーニ神父は、現地パタゴニアで最も有名な人物です。彼が活躍してから既に約100年が経過しますが、英雄的な存在として親しまれています。

デ・アゴスティーニ神父は宣教師でありながら、その情熱は生涯を懸けてパタゴニアの探検と記録を残すことに向かい、登山家、探検家、地理学者、民族誌学者、写真家として半世紀近く活動を続けました。
今も彼の偉業を讃えるように、パタゴニア各地にアゴスティーニ神父の名前を冠した地名や国立公園が存在しています。

イタリア・ピエモンテ州のポッローネに生まれたアルベルト・マリア・デ・アゴスティーニ(1883年11月2日-1960年12月25日)は、カトリックの一派であるサレジオ会の宣教師でした。
幼少の頃より登山に親しんだ彼は、登山を通して未開の地への探求心を養いました。26才のときに宣教師として、イタリアからパタゴニアのフエゴ島に移住します。
当初は先住民のヤマナ族やオーナ族への布教に専念しますが、徐々に彼の情熱は探検と撮影、そして著述へと向かいます。
30才からの約30年が最も彼が躍動した時代でした。南米最南端のフエゴ島でダーウィン山脈を探検、南部パタゴニア氷原の初横断に成功、フィッツロイ山群の探検、サン・ロレンソ峰(3706m)の初登などを行いながら、写真・文章・人類学的な調査など、細かく膨大な記録を残しました。

彼が撮影した100年前の写真と現在の写真を見比べれば、温暖化に伴う氷河の後退がとてつもないスピードで進むこと、またそれに逆行するように前進する氷河があることなども知ることができます。

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デ・アゴスティーニ神父の偉業との出会い

私がデ・アゴスティーニ神父の偉業に出会ったのは、1997年頃に初めてパタゴニアを訪れた時です。マゼラン海峡のプンタ・アレナスで暇つぶしに訪れた「サレシアーノ博物館」は、パタゴニアにまつわる森羅万象を解説・展示していました。

そのなかで特に力を注いでいたのが、デ・アゴスティーニ神父に関する展示でした。神父の偉業に衝撃を受けながら、彼が撮影した写真に夢中になりました。白黒写真ではありますが、100年前に撮影されたものとは思えないほどに、山や森、動物や先住民も躍動的に記録されていました。
人生を懸けて撮影を続けた気迫、そして類まれな芸術的なセンスに圧倒されたのです。

そのときに彼の著述の代表作「Andes Patagonicos(パタゴニア・アンデス)」という書物を知りました。どうしてもその本が欲しくなり、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの古書店を巡り、一冊だけ見つけることができましたが、かなり高額で手に入れることができませんでした。
帰国後もこの本が気になり、大学の図書館の書庫で探してみると、ブエノスアイレスで発刊された原書(たしか初版本)が出てきました。おそらく日本にあったのはこの1冊だけではないかという貴重な本です。すぐに借りて、400ページくらいの分厚い本の全ページをコピーに取りました。
スペイン語の辞書を片手に、この本を最後まで読むのに半年くらいかかったと思います。

この代表作には無数の写真や地図とともに、先住民の生活や、移住したヨーロッパ人が大自然に翻弄されるエピソードなど、生き生きと描写されていました。

この初版本は今も探していますが、ブエノスアイレスの古書店を巡っても見つかりません。英語版をなんとか見つけて、現在私の本棚にうやうやしく陳列されています。

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