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秋のパタゴニア・フィッツロイ:南極ブナの森の静かな息吹

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南極ブナの森を歩く。
秋、風の強いある日。
誰もいない森の中を歩いていると、森の上に吹く風と葉擦れの音だけが聞こえます。
耳をすますと、ギシギシと木の擦れる音が聞こえてきます。南極ブナは、強風による倒木か山火事か、どちらかで最期を迎えることになります。風に倒された木は、他の木に寄りかかり、木の幹同士で擦れる音が聞こえてくるのです。
森の中では、コツコツと木を硬いもので叩く音が聞こえてきます。マゼラン・キツツキです。日本のアカゲラのようですが、オスは首から上が真っ赤です。木の幹に潜む虫を探して、人がいるのも気にせずに、幹に穴を開けています。
森の藪の奥の方で、ザワザワとした小さな音と気配を感じたことがあります。人が通るにしては小さな音であり、キツネが通るには音と気配が大きすぎる。その音が何なのか、じっとして見ていると気配は消えてしまいました。それが何なのかはわかりませんが、もしかすると「ウエムル」という鹿であったのでは、と淡い期待を寄せたりしました。絶滅危惧種のウエムルは、めったに人の前に姿を現さない警戒心の強い鹿です。その鹿を見れる事は滅多にないほどの幸運です。
朝の雪から一変して晴れ上がった午後、フィッツロイを望める岩場の上でなんとも贅沢な昼寝をしようとしていると、頭上に大きな影がスッと通りました。見上げると、コンドルがすぐ間近の頭上で旋回しています。岩場で横たわり動かない私を見て、彼らのエサである死骸なのかどうか様子を見に来たのでしょうか。慌ててカメラを取り出すと、強風に乗り旋回を繰り返しながら、視界から消えてしまいました。
めまぐるしく変わる独特な天候の中で、過ごし方も毎日異なりますが、その日ごとにそれぞれの歩く楽しみ方があります。どんな天候でも、とりあえずは森へ歩きに行ってみると、予想外に好天したり、思いがけない動植物との出会いがあります。
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カラファテ
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サルオガセ
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