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パタゴニアの主役:草原を駆ける牧童“ガウチョ”と牧羊犬

人口よりも羊が多い:羊の国「パタゴニア」

日本の2倍の面積にわたり広がるパタゴニアの草原は人口よりも羊の方が多い、まさに“羊の国”だ。

数十キロの移動の果てに、ガソリンスタンドさえなく、数軒だけの牧場の建物を前に途方に暮れてしまうことは、パタゴニアではいたって普通のことだ。
その「地の果て」は、羊毛の大産地でもある。自生するコイロン草が牧羊に最適なことが発見された約150年前に、パタゴニアの草原はアルゼンチン政府により無償でくまなく開拓民に分割・配布された。
羊は金のように価値がある時代を迎えて、首都ブエノスアイレスから無視されていたパタゴニアは突然脚光を浴びた時代だ。いち早く目を付けたイギリス人の入植が急速に進み、アルゼンチン政府は実効支配をする必要も出てきたのだ。

第二次大戦以後、化繊の発展とともに羊毛価格は下がり牧羊産業は衰退しているが、それでも約1000万頭もの羊がパタゴニアで放牧されている。

大きな牧場では数万ヘクタールという広大な敷地で、1万頭もの羊を放牧している。この大牧場「エスタンシア」で、その膨大な量の羊を数人の牧童「ガウチョ」だけでコントロールしている。羊を追い、無人の荒野を駆けまわる彼らは、何週間も人に会わずに草原を移動して羊と犬とともに暮らす。

牧童ガウチョと牧羊犬の絆

牧童ガウチョの最も重要な相棒が牧羊犬だ。

パタゴニアに羊を持ち込んだのはイギリス人なので、「ウェルシュ・シープドッグ」というウェールズ由来の牧羊犬が活躍している。彼らは極めて有能で、牧童の命令を忠実に守り、ときに命令を先回りして動いているのではないだろうか。
牧羊犬は牧童ガウチョの手足であり、家族の一員のような存在だ。牧童の口笛は、まるで犬と交わす言語のように、自在に犬は動き人と連携する。

牧羊犬が追う数百頭の羊の群れがやってくると、地面が鳴動するように音を立てる。乾いた地面から濛々と上がる砂塵と羊たちの中に、牧童ガウチョと牧羊犬が躍動的に駆け回る。

歴史こそ浅いものの牧童ガウチョはパタゴニアの遊牧民であり、牧羊犬と駆ける姿はパタゴニアの風景そのものなのだ。

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