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パタゴニアの遊牧民「ガウチョ」の祭りにて

パタゴニアの草原を闊歩する「ガウチョ」

パタゴニアの草原を闊歩する牧童「ガウチョ」にとって、大空と草原はきっと世界そのものだ。

360度の地平線に覆いかぶさるような「空」は、天蓋というべき存在感だ。パタゴニアでは常に空の大きさを感じるほどに、あまりにも大きく、その大きさに耐えられない圧迫を感じてしまう人さえもいるだろう。

大空に浮かぶ雲は無限に変化して流れていく

日本の約3倍の面積の大草原が広がるパタゴニアでは、数千人の牧童(ガウチョ)が数百万の羊を放牧している。
とてつもない広さの草原に、人や文明にさえ触れることなく羊を追う生活をしているガウチョは、空という天蓋の下に生きる誇り高き遊牧民なのだ。
そして、ガウチョはアルゼンチンという国にとって独立を象徴するシンボルでもある。

ガウチョの祭りでの巡り合い

孤独に寡黙に草原を駆けるガウチョにとって、年に数回だけ開催される祭りは、馬とともに生きる彼らの乗馬技術を披露し合う競技会であり、晴れ舞台でもある。
老いも若きもその日は一堂に会し、馬で町を闊歩して会場に集う。小さな子供も胸を張り、馬を操っている

その老人に出会ったのは、祭りの会場であった。

正装して競技に臨む騎手たちの中で、すでに引退した老人たちもやはりパリッとした服を着て、仲間たちと話をしている。引退して馬を降りた彼らにとっても、祭りに参加することは欠かせない行事であり、社交の場であるのだろう。そして何よりも、ガウチョとしての誇りとアイデンティティを再確認する日なのだ


老人とはいえ、ガウチョの眼差しは鷲のように鋭く、そして優しい。
その老人にカメラを向けると、胸を張り、ごくりとファンタを飲んだ。
不敵にポーズを取るガウチョは、やはりガウチョらしい誇りとユーモアで応えてくれた。

大空に吸い込まれるように、祭りの歓声はどっと上がり、短い夏の白夜は活気の中に暮れようとしていた。

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