Loading

風景写真家・松井章のブログ

【グランドキャニオンで風景写真を撮る】キャンプで待つ悠久の風景

グランドキャニオンの風景写真:悠久の時間を感じるために

人間の存在や営みからかけ離れた地の果てで風景写真を撮影することは、人や他の生命とも異なる地球そのものの時間軸を転写することです。

地の果てに身を置くときには、たっぷりと時間を確保して、できればキャンプしながら、その時間軸に身を任せることがとても重要であり、醍醐味ともいえるでしょう。

北米のグランドキャニオンもまた、「地の果て=ウィルダネス」の風景を堪能できる場所です。サウスリムの展望台は観光地として有名ですが、歩いて谷に下りていくと、そこには一味もふた味も違い景色が広がります。

写真は約5年前に企画したツアーでの写真です。テント2泊3日で谷底を歩き、1周するトレッキングです。キャンプの許可証は大変人気があるので、約1年前に抽選で取得しました。
グランドキャニオンの谷底のコロラド川に漂う空気は、どことなく神聖で不思議な空気に満ちた場所でした。

谷底のコロラド川の周辺では、約20億年前の最古の地層を見ることができます。生命がまだ陸上に上がる以前の太古の昔です。このトレッキングは地球の歴史を追う旅でもあります。

展望台の観光地・サウスリムと谷底のコロラド川の中間にあたるプラトー・ポイントは、グランドキャニオンで最も美しい場所の一つです。ここで望む夕日もまたグランドキャニオンで最も美しいのですが、やはりキャンプをする必要があることから、ほとんど無人という贅沢な環境で夕日を望めます。

20億年という壮大な地層に凝縮された「色彩」は、時間とともに刻々と変化します。私たち人間や他の生命とも全く異なる時間軸を体験するためには、荒野で野営(キャンプ)するのが最も手っ取り早い方法なのです。

関連ページ


フォトギャラリー「パタゴニア南部氷原」:極地の風景写真

【風景写真の基本】定点観測で望むモニュメントバレー

関連記事

  1. チリ暴動による地方の最新状況:パタゴニア・パイネ国立公園

    2019.11.08
  2. アルゼンチンの象徴「ガウチョ」の歴史と文化

    2023.01.09
  3. 明治大学イベント講演「アルゼンチンのフォルクローレの魅力」

    2024.10.22
  4. 黎明の富士山を大岳山から望む:東京・御岳

    2019.01.06
  5. ブラジル・マラニョン州の古都サンルイスの歴史

    2025.03.23
  6. BA Styleコラム9月号:アンデスの伝統衣装「ポンチョ」

    2021.09.15
パタゴニア
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP