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パタゴニアの名峰セロ・トーレの静寂と暴風:フィッツロイ山群

世界で最も登攀が困難な山:セロ・トーレ

世界で最も登攀が困難な山と言われるセロ・トーレ峰(3,128m)は、パタゴニアのフィッツロイ山群を代表するもう一つの名峰です。
「セロ」は「峰」を、「トーレ」はその姿の通り「尖塔」を意味する、まさに天に屹立する針峰です。

セロトーレは、パタゴニア南部氷原に直に接するために、気象条件はフィッツロイよりも悪く、なかなかその姿を現しません。
ひとたび天候を崩すと、時には山麓の湖畔でも立っていることが困難なほどの暴風が吹き荒れます。
地形的な特徴から、ときに四方八方から風が吹き荒れるので、体を支えることができずに、しゃがんで歩くようなことさえもあります。

そのような暴風が荒れ狂うときは、セロトーレを巨大な雲が覆っていることでしょう。
セロトーレだけを厚くぐるりと覆う異様な雲です。
パタゴニアならではの超局地的な天候で、セロトーレからほんの30分も徒歩で離れれば、小鳥がさえずり空は快晴であったりします。

朝日に橙色に輝くセロ・トーレの絶景

フィッツロイよりも雲に覆われる確率の高いので、朝焼けに染まるモルゲンロートを望めたのなら、大変幸運なことです。
そんな幸運に恵まれて、夜明けをセロトーレで迎えるときは、決まって無風で大気はシンと静まっているものです。
放射冷却で凍えるような寒さに震えながら、物音一つしない黎明の時間を瞑想のように過ごします。

日の出の一線が山頂部に当たり赤く輝くと、徐々にオレンジ色に変わります。
そうすると陽光の勢いは早く、山全体がぐんぐんオレンジ色に包まれて行きます。
大岩壁の下の方まで陽が差す頃には、オレンジ色から金色に、さらに鮮烈に色彩が変化することもあります。
フィッツロイに並ぶ迫力を持つセロトーレは、どちらの山が好きか地元でも意見が分かれるほどに人気のある名峰です。

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