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風景写真家・松井章のブログ

パタゴニアの民族史①

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22時頃、カラファテの遅い日没
パタゴニアの歴史は、もしも欧米人による侵略を基準に考えたのなら、まだたった400年の歴史です。そして、開拓されてからはたった100年ほどしか経っていません。短い歴史ではありますが、その100年にはとても多くの物語があり、パタゴニア史を魅力的なものにしています。先住民の観点から見れば1万年の歴史があり、はるかベーリンジアを渡って来たモンゴロイドの無言の歴史も存在します。
19世紀末から始まる羊牧により、パタゴニアの歴史は大きく変わりました。それまで地の果ての荒れ地として商業的な価値はなく、スペインの侵略後も300年以上放置された土地が、人類の歴史から見れば“突如”注目を浴びたのです。
パタゴニアに地生するコイロンが羊牧に最適であったことや、独立したアルゼンチンとチリに国境確定の必要性が生じたことなどがあります。それらの要素が不思議に絡まりあい、パタゴニアは歴史の表舞台に現れることになりました。羊毛ラッシュとも言われる時代の中で、一攫千金を夢見て、あるいは郷から逃亡して、ヨーロッパから移民がやってきます。それはゴールドラッシュでアラスカに移民が押し寄せたのと、時を同じくします。アルゼンチンとチリ両国は実効支配地域を増やすために開発を競い、政府はパタゴニアをパッチワークのように区切り、移民に土地を譲渡します。それは先住民や野生動物にとっては大きな悲劇の始まりであり、同時に躍動的なパタゴニア史の一つの新しい局面が始まる時代、「過渡期」でもあったのです。
<つづく>

「パタゴニア大陸氷床トレッキング」

パタゴニアの民族史② 牧場(エスタンシア)の開拓民

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