Loading

風景写真家・松井章のブログ

ペルー・インカ帝国の中枢:“聖なる泉”タンボマチャイ遺跡

“聖なる泉”タンボマチャイ遺跡

ペルー・インカ帝国の都クスコの周辺には、インカ文明の中枢を象徴するような遺跡がいくつもあります。

クスコ近郊で、「聖なる泉」として知られる遺跡・タンボマチャイは、サクサイワマン遺跡からさらに丘を少し登る標高3800mの遺跡です。
この泉は、インカ時代から絶えることなく流れ続け、またその水源がどこにあるのかは今でも謎のままです。インカ以後500年が過ぎても、当時のように泉は水を湛えます。周辺の丘の上には川はなく、サイフォンの原理で水をくみ上げていると言われます。

遺跡の保存状態も非常に良く、どれほど地元の人々に大切にされてきたかが伝わります。遺跡の中心部では、インカならではの非常に入り組んだ石組を見れます。石組が精巧であればあるほどに、その場所が聖地であったことを意味します。
タンボマチャイはまさしくインカ時代の聖地だったのでしょう。

「タンボマチャイ」はインカ族の公用語「ケチュア語」で、今も多くのケチュア族に使われる言語です。
「タンボ」は宿泊施設を、「マチャイ」は休憩所を意味します。かつて王族の「宿場」を兼ねた「沐浴場」であったのではと言われます。
遺跡自体は、インカ帝国以前の先インカ時代(プレ・インカ時代)から受け継がれたものです。
下の2段はプレ・インカ時代の遺跡で、インカ帝国の時代になってから、さらに3段目より上を増築しました。

水の少ない乾燥したアンデスの高原で、水を営々と称え続けるタンボマチャイ遺跡は、インカ文明の技術力の高さを物語る貴重な遺跡です

関連ページ(ペルー)

パタゴニアに生息するラクダ:「グアナコ」の生態

インカ文明の聖なる3種の動物:“巨大な祭壇”ケンコー遺跡(ペルー)

関連記事

  1. パタゴニアの気候変動:ビエドマ氷河の急激な後退と大崩落

    2017.08.08
  2. ケチュア族のミスミナイ村:信仰に根付く生活風景

    2015.07.27
  3. 朝焼けのウユニ塩湖

    2023.05.28
  4. アタカマ砂漠の花園:エルニーニョ現象と生命の連鎖 3つの不思議

    2019.12.30
  5. ペルー料理をキャンプで楽しむ:ブランカ山群のグランピング体験

    2016.06.19
  6. BA Styleコラム9月号:アンデスの伝統衣装「ポンチョ」

    2021.09.15
パタゴニア
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP