Loading

風景写真家・松井章のブログ

インカ文明の聖なる3種の動物:“巨大な祭壇”ケンコー遺跡(ペルー)

巨大な祭壇:ケンコー遺跡

ペルー・インカ帝国の都・クスコ周辺に点在する聖なる遺跡の一つ、ケンコー遺跡は、他の遺跡と異なる芸術品です。

かつて宗教の儀式で使用されていたという遺跡は、巨大な数枚の石灰岩で構成されています。
この巨岩の表面・内部を徹底的に彫ることで、複雑怪奇な階段や祭壇が岩全体を覆っています。他の遺跡とは、まったく違う目的で作られたのは一目瞭然なのです。

鬼気迫る彫刻に覆われた巨岩には、この世ならぬ不可思議な雰囲気をビりビリと感じさせます。
とても設計図があっとは思えず、無限に連鎖するイメージの結果で長い年月で作られた一種の芸術品と言えるでしょう。

インカの聖なる3種類の神聖な動物

この遺跡が持つ重要な世界感を、この遺跡の彫刻群から少し垣間見ることができます。

岩を表面は天上の神様(コンドル)に捧げる祭壇であったそうです。祭壇の間には細い溝が掘られていますが、これは生贄の地を流したと言われます。

巨岩の間や底の薄暗い部分にも、祭壇がいくつもあります。これは地下の神様(蛇)に捧げる祭壇でした。巨大な石のベッド状の祭壇では、ミイラを作っていたと言われます。

巨岩の横には、約5mほどの細長い巨岩が建っています。これは玉座と言われたりしますが、大地の神様(ピューマ)を象徴したと言われます。

このケンコー遺跡では、天・大地・地下の3層の神様を讃えた、インカ文明で最も重要な祭壇であったのです。

インカ文明、そしてインカ以前のプレ・インカ時代の人々の、「岩」への特別な想いが伝わる遺跡ではないでしょうか。

関連ページ(ペルー)

ペルー・インカ帝国の中枢:“聖なる泉”タンボマチャイ遺跡

ペルー・インカを象徴する花:国花カントゥータ(ハナシノブ科)

関連記事

  1. 「キンテート・デル・アンヘル」民音タンゴ・シリーズ53 

    2024.02.14
  2. ボリビア日本人移住地:「日本・ボリビア友好切手」をお届けしました

    2025.01.10
  3. Exposição fotográfica “Lençóis Maranhens…

    2025.03.03
  4. BA Styleコラム7月号:アルゼンチンで親しまれる「乗馬」

    2021.07.15
  5. ペルー独立200周年セレモニー&写真展 in ペルー大使館

    2021.07.22
  6. アンダルシア地方の古都・グラナダの歴史

    2023.07.23
パタゴニア
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP