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風景写真家・松井章のブログ

パタゴニア・フィッツロイ峰の絶景:雲から現れる一瞬

「嵐の大地」パタゴニア

南米の南端パタゴニアを代表する名峰フィッツロイは、頻繁に雲に覆われていることで有名です。姿を見せても山頂部にかかる雲はなかなか取れず、何時間待っても山頂部までは見れないことが普通と言ってよいでしょう。もし山の8~9割ほどが見れたとしたら、それで満足しても良いかもしれません。

先住民テウェルチェ族は、この山を「雲を吐く山(チャルテン)」と呼び、探検家たちは噴煙を吐く活火山と思っていたほどです。

何日間も雲に覆われていても、ある日、強風が雲を吹き飛ばして、突然に姿を見せることもあります。
諦めて背を向け歩き始めて、ある瞬間に振り替えると、雲間からフィッツロイの岸壁が見えてきます。雲の動きが早く、30分もすると山頂部まで一気に姿を見せるような天候の激変も、パタゴニアならではのドラマです。

パタゴニアを東西に分けるアンデス山脈は、南極から吹く湿った偏西風が衝突する場所です。大量の降水量をもたらし、数百の氷河を形成します。フィッツロイ峰はまさに偏西風がぶつかる壁なので、偏西風の微妙な匙(さじ)加減で天候は激変するのです。

フィッツロイ峰の岸壁から直線距離で4~5キロほど東にあるエル・チャルテン村は、逆に乾燥して降水量が少ないほどです。エル・チャルテン村の上空に青空が見えても、フィッツロイ峰に向かうほどに雲に覆われていることが多いのです。エル・チャルテン村からさらに東に数キロも行けば、木も生えない乾燥した草原になります。

これほど山により天候が一変する気候は、日本の常識では考えられないことです。
信じられないような風が吹き、天気が変わり、空が大きいパタゴニアは、日本とは別世界の規格外の大地です。

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