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極南の大地に咲く、パタゴニアの春の花
11月から始まるパタゴニアの遅い春。
雪融けとともに、早春の一番に咲く花々は、瑞々しくパタゴニアの草原や森を彩ります。
まだ冷たい風に、可憐に揺れる花々ですが、過酷な自然環境に耐える強さをも内包しています。
極南に咲く花々をご覧ください。
カラファテ
Berberis microphylla(ベルベリス・ミクロフィラ)
メギ科の低木で、黄橙色の小さな花を咲かせ、濃い青紫の果実を実らせます。果実は甘酸っぱく、ジャムやリキュールにも利用されるパタゴニアを象徴する植物です。
レディースリッパ
Calceolaria biflora(カルケオラリア・ビフロラ)
鮮やかな黄色の袋状の花を咲かせるゴマノハグサ科の植物。ユニークな形から「レディスリッパ」と呼ばれ、パタゴニアの草原や岩場に可憐に群生します。
ノトロ
Embothrium coccineum(エンボトリウム・コッキネウム)
ヤマモガシ科(Proteaceae)の植物で、「チリの火の木」とも呼ばれ、燃えるような赤い花を枝いっぱいに咲かせます。氷河が後退した荒地に最初に生える植物の一つです。森の中で一際目を引く、南米南部の代表的な花木です
パタ・グアナコ
Adesmia lotoides(アデスミア・ロトイデス)
マメ科の植物で、地面を這うように広がり、黄色い蝶形の花を咲かせます。「グアナコの足」を意味する名の通り、草原に点々と春の彩りを添えます。
ウイルモ
Olsynium junceum(オルシニウム・ユンケウム)
アヤメ科の多年草で、細い茎の先に白から淡紫色の花を咲かせます。花弁には赤紫の筋が入り、黄色い花粉が鮮やかに映えます。春の草原に清楚な彩りを添えるパタゴニアの代表的な野花です。
アネモネ
Anemone decapetala(アネモネ・デカペタラ)
純白の花弁を持つアネモネの仲間。乾いた大地に凛と咲き、可憐ながらも力強い存在感を放ちます。春の訪れを知らせる野草のひとつです。