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パイネ国立公園の象徴:トーレス・デル・パイネ峰
チリのパタゴニア地方に位置するパイネ国立公園。その核心部にそびえ立つのが、三本の巨大な岩塔「トーレス・デル・パイネ」です。
氷河と風雪に削られた花崗岩の塔は、まさに自然が生み出した圧倒的な造形美です。標高およそ2,800メートルに達するその姿は、遠くからでも存在感を放ち、近づけば近づくほど迫力を増していきます。
ただし、山麓から見えるのは峰の頂きだけです。岩塔の全容を見渡すためには、山上の氷河湖まで歩いて登る必要があります。その道程は、パイネ国立公園の自然を体験するハイライトと言えるでしょう。
「トーレス」とはスペイン語で「塔」を意味し、その名の通り、天へ突き刺さるような鋭い姿が特徴です。足元にはターコイズブルーに輝く湖が広がり、切り立つ岩壁とのコントラストは息をのむ美しさです。
天候によっても表情を変え、快晴の日にはくっきりとその姿を現し、雲に包まれれば神秘的な雰囲気を漂わせます。
長い歳月をかけて形づくられた岩塔は、壮大なスケールで人間の小ささを静かに教えてくれます。
山麓のラストーレス小屋からは片道3.5時間、チレーノ小屋からでも片道2.5時間はかかります。決して楽な道のりではありませんが、たどり着いた先に待つ光景は、その苦労をはるかに超える感動を与えてくれるでしょう。
一生に一度は訪れたい、パタゴニアの象徴的な絶景。それが「トーレス・デル・パイネ」の三本の峰です。