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風景写真家・松井章のブログ

ボリビア・ウユニ塩湖の聖なるサボテン島「インカワシ」の絶景

乾季・ウユニ塩湖の魅力

乾季のウユニ塩湖は、塩の大平原がどこまでも続く。

欧米人には乾季のウユニ塩湖の方が人気があるのは、どこまでも車で疾走できるからだろう。
乾季らしい晴天の下、塩の平原は眩しいほどに輝いている。

2時間ほどかけて塩湖を横断すると、遠くに島影が見えてくる。
蜃気楼もたくさん見えるので、島も蜃気楼のように大気の向こうに揺らめている。それはまるで魚が泳いでいるように見えるので「魚の島」と呼ばれることもある。

ウユニ塩湖の聖なる島:インカワシ

ウユニ塩湖に浮かぶ島「インカワシ」は、所狭しと柱サボテンが林立するサボテン島だ。
あまりにも密度が濃いので、道が無ければ人が入り込む余地がないほどだ。

天を目指すかのうように上へ上へとサボテンは背を伸ばし、大きなサボテンは高さ4~5mほどに達する。この巨体を支えるために、サボテンは地中でどれほど根を張っているのだろうか。

周囲を塩湖に囲まれたこの島だが、地下水脈が流れるらしく、その水脈がサボテンに栄養を与えているらしい。

インカ時代、そして先インカ時代から、この島は聖なる島として崇められていたのだから、この島とサボテンには何か特別なものがあるのだろう。
インカワシの「ワシ」は、インカ人の直系の子孫であるケチュア族・アイマラ族の言葉で「家」を意味する。

ウユニ塩湖の沿岸部の斜面には、サボテンは必ず生えているものだが、インカワシ島のサボテンの群生は一種独特な雰囲気が漂うほどに、サボテンに徹底的に覆われている。


雨季は冠水しているのでこの島を目指してウユニ塩湖を横断するのは難しいが、乾季は必ずこの島に行くことができる。
サボテンの間を縫うように登り、高台から望む真っ白な展望もまた見ごたえがある。

はるか彼方を往来する車が、真っ白なキャンバスを米粒ほどの大きさで動いている。
それはまるで現代アートのような異世界的な光景なのだ。

インカ文明の星座:暗黒星雲とアンデス神話

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