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アルパカ放牧家族の一日の始まり

夜明け前の黎明の時間、地平線はすでに淡い紫色に染まり、まもなく夜が明けることを静かに告げていました。
日の出前、アルパカを放牧する家族の家に着くと、すでにアルパカとリャマたちは目を覚まして、脚を畳んだクッシング姿勢で待機しています。
彼らは朝ごはんを食べに草原に行きたいのですが、陽が射し込むまでは立ち上がりません。
夜闇が危険を孕むことを、本能的に知っているからでしょう。
生き物が少ないアンデス高原(アルティプラーノ)とはいえ、キツネやピューマは確かに彼らを狙っています。

サハマ山とパリナコタ山の山麓は、起伏が少ない平らな大草原です。
やがて地平線に陽が顔を出すと、強烈な斜光が射すようにアルパカを照らしました。

その瞬間、アルパカたちはすくっと立ち上がり、主である家族の人々が門を開けるのを、今か今かと待ちわびるようです。

放牧を生業とする家族にとって、朝はとても大切な時間です。

アルパカの健康状態を確かめ、毛を刈る個体を選び分けるなど、忙しくも欠かせない作業が続きます。

▲子供アルパカに栄養のあるミルクを与える
基本的に集団で行動するアルパカ達ですので、全てのアルパカの用意が整ってから、門を開けて一斉に放ちます。
リャマはリャマ、アルパカはアルパカで集まり、それぞれの方向へと足早に散っていきます。

草を食み始めると、彼らの一日が始まります。

少しずつ移動しながら、ずっと草を食べ続け、ときどき昼寝をして、また草を食べる。。。

陽が暮れるまで、アルパカとリャマたちは穏やかで変わらない営みを続けていきます。








































