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「美食の国」ペルーの成り立ちとは
南米ペルーを旅すると、驚かされることのひとつが料理の豊かさです。
新鮮な魚を使ったセビーチェ、牛肉と野菜を豪快に炒めるロモ・サルタード、黄色い唐辛子「アヒ・アマリージョ」を使ったアヒ・デ・ガジーナ。
そしてアンデス地方へ行けば、ジャガイモやトウモロコシ、キヌアなど、高地ならではの食材を使った料理が並びます。
なぜペルーには、これほど多彩な料理があるのでしょうか。
その理由をたどっていくと、ペルーという国が歩んできた歴史そのものが見えてきます。
アンデスから始まったペルーの食文化

ペルー料理の原点にあるのは、アンデスで何千年にもわたって育まれてきた食文化です。
アンデスは決して農業に適した土地ばかりではありません。標高3,000メートル、4,000メートルを超える高地では、昼夜の寒暖差が大きく、乾燥し、酸素も薄くなります。
その厳しい環境の中で、人々は土地に適したさまざまな作物を育ててきました。

代表的なものがジャガイモです。
現在では世界中で食べられているジャガイモですが、その原産地のひとつがアンデス地域です。そのほかにもトウモロコシ、キヌア、唐辛子類など、現在のペルー料理を特徴づける食材の多くが、この土地の暮らしと深く結びついています。

アンデス地方に残る「パチャマンカ」も、その伝統を感じさせる料理のひとつです。
地面に穴を掘り、熱した石を使って肉やジャガイモなどを蒸し焼きにする料理で、現在も各地で受け継がれています。
ペルー料理の特徴として、こうした土地固有の食材と食文化が長く継承されてきたことにあります。
スペイン人の到来で変わった食卓

16世紀、スペイン人が南米へ進出すると、ペルーの食文化も大きく変化します。
ヨーロッパから、それまでアンデスにはなかった家畜や食材、調理法が持ち込まれ、先住民の食文化と混ざり合っていきました。

しかし、もともとのアンデス料理が消えたわけではありません。
古くからあるジャガイモやトウモロコシ、唐辛子などの食材に、新しく入ってきた肉類や乳製品、小麦などが加わり、少しずつ新しい料理が生まれていきます。
「何かひとつの文化に置き換えられた」のではなく、それまであった料理に別の文化が重なっていった。
この「融合」こそが、現在のペルー料理を理解するうえで重要なポイントです。
アフリカからもたらされた食文化

植民地時代のペルーには、奴隷として連れて来られたアフリカにルーツを持つ人々の食文化も加わりました。
限られた食材を工夫しながら調理する文化の中から、内臓肉などを巧みに利用する料理が発達しました。
現在、ペルーを代表する庶民料理のひとつとして知られる「アンティクーチョ」も、こうした歴史と深い関係を持つ料理です。
ペルー政府観光庁も、現在のペルー料理を形づくった文化として、スペインだけでなくアフリカ、中国、日本、イタリアなどからの影響を挙げています。
中国系移民から生まれた「チーファ」
そして19世紀以降、ペルー料理に大きな影響を与えたのが中国からの移民です。
中国料理とペルーの食材が融合して生まれた料理文化は、ペルーで「チーファ(Chifa)」と呼ばれるようになりました。
その影響がよく分かるのが「アロス・チャウファ」です。簡単にいえばペルー風の炒飯で、現在ではごく日常的な料理として各地で食べられています。
さらに興味深いのが、ペルーを代表する料理のひとつ「ロモ・サルタード」です。牛肉、タマネギ、トマトなどを強火で炒め、醤油などで味付けする料理で、そこにフライドポテトが加わります。
中華料理の炒める技法、アンデス原産のジャガイモ、そしてペルーの食文化。
一皿の中に、異なる歴史が同居している料理です。
これほど「ペルーらしい料理」もないかもしれません。
日本人移民がもたらした「ニッケイ料理」
そして日本も、ペルーの食文化と深い関係があります。
19世紀末から日本人移民がペルーへ渡るようになり、日本の食文化も現地の料理に影響を与えていきました。
特に魚介類を扱う文化との相性はよく、そこから「ニッケイ料理」と呼ばれる独自のジャンルが発展しました。

ペルー料理でよく知られる「ティラディート」などにも、その融合を見ることができます。
日本料理をそのままペルーへ持ち込んだのではありません。
ペルーの魚、唐辛子、柑橘類などの食材と、日本的な魚の扱いや調理の感覚が出会い、まったく新しい料理へと発展していったのです。
日本を含むさまざまな移民文化との融合が、ペルー料理を日々多彩なものに進化させています。
セビーチェは、ペルーの土地の味を楽しむ料理

ペルー料理を語るうえで、やはり外せないのがセビーチェです。
一般的には、新鮮な魚を柑橘類の果汁、唐辛子、塩などで調理する料理として知られています。しかしセビーチェは、単なる魚料理ではありません。
それぞれの土地で育った食材が一皿に集まるので、地域によって使われる魚や食材も異なります。
2023年には「セビーチェの調理と消費にまつわる慣習と意味」が、ユネスコの無形文化遺産の代表一覧表に記載されました。
評価されたのは単なるレシピではなく、漁業や農業、調理、家族や地域社会で受け継がれてきた知識までを含む食文化そのものです。
ペルー料理の背後にある深い歴史
ペルー料理のおもしろさは、一言で「これがペルー料理です」と定義できないところにあります。
アンデスで何千年も育まれてきた食文化。
スペインからもたらされた食材や調理法。
アフリカにルーツを持つ料理。
中国系移民が生み出したチーファ。
そして日本人移民から発展したニッケイ料理。
それらが何世代にもわたって混ざり合いながら、現在のペルー料理がつくられてきました。
そして、ペルーでひとつ料理を食べることは、その土地の食材だけではなく、歴史を味わうことでもあります。
アンデスでジャガイモ料理を食べる。
リマでセビーチェを味わう。
町の食堂でロモ・サルタードを注文する。
そこには必ず、その料理が生まれた土地と、人々が歩んできた時間があります。
ペルーを旅するとき、遺跡や絶景を見るだけではなく、ぜひその土地の料理にも目を向けてみてください。
料理の向こう側に、アンデスの大地と、世界各地からやってきた人々がつくり上げてきた、もうひとつのペルーの歴史が見えてきます。
麻布台ヒルズで、写真展とともにペルー料理を楽しむ
8月1日から、16日まで、麻布台ヒルズのタワープラザ4階の大垣書店 Ehon GALLERYにて、写真展「アルパカ ペルー・アンデスに生きる」を開催します。
3階のペルー料理ALDOは、この写真展を主催していますので、特別ランチ・メニューも用意しています。
写真展とともに、ペルー料理もお楽しみください。
8月1日~16日開催 写真展「アルパカ ペルー・アンデスに生きる」

アンデス高地で撮影してきた単にアルパカだけではなく、その背景にある大地や人々の暮らしまで感じていただける写真展です。
アルパカは、なぜアンデスでこれほど大切な存在なのでしょうか。
写真を見ながら、その向こう側にあるペルーの自然、文化、そして人々の暮らしにも思いを巡らせていただければと思います。
ぜひ麻布台ヒルズで、アンデスのアルパカたちに会いに来てください。
写真展「アルパカ ペルー・アンデスに生きる」公式ページ

松井章 写真展「アルパカ ~ペルー・アンデスに生きる~」
会期:2026年8月1日(土)~8月16日(日)
時間:11:00~20:00
会場:大垣書店 麻布台ヒルズ店 Ehon GALLERY
麻布台ヒルズ タワープラザ4F
主催:ペルー料理 ALDO
協力:株式会社大垣書店・森ビル株式会社
後援:駐日ペルー共和国大使館・日本ペルー協会
協賛:株式会社明治
企画:松井章写真事務所
★詳しくは、下記リンクから、公式ページをご覧ください。
★大垣書店 公式ページはこちら
●大垣書店 麻布台ヒルズ店:写真展「アルパカ」公式ページ
ペルー料理レストランALDO

日本でペルー料理といえば、ペルー料理ALDOは高品質なペルー料理を食べられることで有名です。
ぜひこのレストランにもお立ち寄りください。
●ペルー料理ALDO 麻布台ヒルズ店
→ https://aldoperu.com/


























