Loading

風景写真家・松井章のブログ

狂おしい“地球の鼓動”⑤:パタゴニアの名峰フィッツロイの朝日と大草原


パタゴニアの朝は凍えるように寒い。星空が白み始める黎明の時間、世界がしんと静まり返るなか、凍える手をこすりながら朝日を待った。

地平線まで広がる大草原から、フィッツロイ峰の岩峰が突き出している。天を衝くように聳える峰には、朝日が昇れば最初に陽が当たる。朝日が当たると、岩峰は紫から橙色を経て金色に変化する。
ときに周りの世界そのものが、朝日の色に染まってしまうこともある。

何度見ても魅了される瞬間で、それはフィッツロイ峰の最も美しい時間なのだ。

晩秋の空気は、骨まで沁みるほどの寒さだが、黎明から朝日に変化する瞬間は寒さを忘れて見入ってしまう。

大きな空を覆うように浮かぶ大きな雲は、フィッツロイと呼応するかのように、朝日に焼けた。

朝日の絶景に出会うには、太陽が上がる空から現在地にかけて、いかに空が開けているかが重要だ。その微細な自然の匙加減により、朝焼けが発生するかは決まるのだ。

天候の変化の激しいパタゴニアでは、朝日の状況は直前まで予測できない。その可能性の中で、朝日の絶景を望めた時の充実感もまた、パタゴアニならではの感動だ。

関連ページ:パタゴニア

「パタゴニア」ブログ関連記事集



YouTube動画:南米絶景動画チャンネル「パタゴニア」

狂おしい“地球の鼓動”④:ペンギンの国「南極大陸」

メキシコの領土喪失に見る大国の論理/「アラモを忘れるな」

関連記事

  1. パタゴニアのエスタンシア:観光牧場として新たな発展

    2015.10.09
  2. マチュピチュ遺跡「石切り場」:ひと味違う絶景と隠された謎

    2024.11.16
  3. チチカカ湖を望む絶景のロッジ:インカ発祥「太陽の島」

    2019.01.22
  4. ネパール・アンナプルナ山群の聖峰・マチャプチャレの暁光と残照

    2025.05.18
  5. パタゴニアの花「サクラソウ」:ワイルドフラワー編

    2015.09.09
  6. メルマガ 11/1号:「南米の幻想風景」写真展、など

    2020.11.01
パタゴニア
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP