Loading

風景写真家・松井章のブログ

ルメール海峡を抜けて:氷塊の楽園に遊ぶアザラシ


ルメール海峡を抜けて、この船旅の最も南、南極側に到着した。
このポート・シャルコーが折り返し地点だ。

ポートシャルコーの湾には、青い氷がぎっしりと浮かんでいた。
曇天の鈍い空の下で、氷はなぜこれほど青いのだろうか。
空の青を溜め込んだように、今は青い光を外に放っているかのようだ。

風と氷に波打つ音しか聞こえない静かな湾では、ときおりアザラシをみかける。

ひときわ青い氷の下で、アザラシが3~4頭で遊んでいるようだ。
近づくボートに興味があるのか、遊ぶのをやめて水面に顔を出し、じっとこちらを見つめている。
アザラシにとっても、我々にとっても、まさに邂逅という一瞬の出会いの時間を過ごし、

アザラシは我々が無害であることを悟ったのか、また遊びに興じていた。

浮かぶ氷塊の形は様々だ。
卵のような綺麗な円形に紋様が浮かぶような氷塊があれば、波や風に削られた荒々しく禍々しい形の氷もある。
一つとして同じ形はない無限のバリエーションが氷塊の魅力だろう。

これらの氷は、南極の陸地から流れ落ちて来た氷河が源だ。
何千年、何万年と、内陸の氷原で圧力を受け続けて圧縮された氷が、氷河として流れ落ち、海にたどり着いたのだ。

いま目の前の氷塊には、途方も無く長い歴史を持つ、自然の遺跡のようなものだ。

耳を澄ませば、氷の表面はプチプチとはぜる音が聞こえてくるだろう。
圧縮された硬い氷の奥深くに閉じ込められていた空気が、数万年ぶりに大気に出てきた音だ。

まるで生きているかのうように、氷塊は海に出てから、音を立てて古い空気を放出しながら、海を漂う旅をしている。








屋台で食べるメキシコの代表料理「タコス」

アルミランテ・ブラウン基地に迫る氷河:パラダイスハーバー

関連記事

  1. 南極に輝く生命:サウスシェットランド諸島のゾウアザラシ

    2020.06.24
  2. 南極のアザラシの楽園・クーバービル島/南極クルーズ

    2017.03.18
  3. デセプション島のナンキョクオットセイ/南極サウスシェットランド諸島

    2017.03.10
  4. ジェンツーペンギンの雛鳥の生死/南極・クーバービル島

    2017.03.16
  5. 秘境クルーズ特集:ガラパゴス諸島、パタゴニア、アマゾン、南極大陸

    2018.10.29
  6. 写真展(12/20~25)開催中です!

    2022.12.21
パタゴニア
2024年2月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
26272829  

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP