Loading

風景写真家・松井章のブログ

アンデスに舞う世界最大の巨鳥コンドル

アンデス山脈に生きる巨鳥・コンドル


アンデス山脈にいると、大空を悠々と滑空するコンドルを頻繁に目にします。
インカ文明の人々が「太陽神インティの使い」として崇めた巨鳥は、翼を広げると3.5メートルもある世界最大の鳥です。

コンドルはほとんど羽ばたくことをしない鳥です。
自らの力だけではその巨体を浮き上がらせることはできないので、飛翔には風を必ず必要とします。
そのため、上昇気流の吹く谷の崖に巣を造ります。

崖に巣があるのは外敵から身を守るためだけではなく、空に飛びあがるためという理由もあります。
アンデス山脈は夜間と昼間の寒暖差はとても大きいです。
朝、暗い谷に陽が射し込むと、急速に温度は上がり、それとともに上昇気流も発生します。

翼を広げて上昇気流を掴めば、あとは旋回しながら、どこまでも上昇していきます。
朝は、コンドルが活動するには最も良い時間帯なのです。

コンドルにとって理想的なこの時間帯、餌となる死肉を探す前に、ウォーミングアップの時間が必要なようです。
1時間ほど、谷間をぐるぐると旋回しています。
中には、幼鳥に飛び方を教えるように、首元が白い羽毛に覆われたオス鳥が、先導するように飛んでいたりします。

太陽が昇り、風が落ち着き始めると、コンドルたちは一羽一羽と空の彼方に飛び去って行きました。

「コンドルは飛んでいく」という曲には、自由への憧れを秘めて作曲されたそうです。
人の心に琴線に触れる曲調は、アンデスを舞うコンドルに見事に調和しているように感じます。

バーチャル写真展「レンソイス -水と風の星へ-」開催のお知らせ

関連記事

  1. 悠々とアンデスに舞う巨鳥・コンドル

    2023.10.11
  2. オーロラのような幻想的な雲:パタゴニア・フィッツロイ峰の夕日

    2018.06.17
  3. 【動画:パタゴニア】名峰フィッツロイの雲と風/アルゼンチン

    2023.03.06
  4. ボリビア東部「チキタニア」:芸術を愛する先住民の大地

    2024.08.09
  5. レンソイス追想:水晶と水、風が創り出す奇跡の絶景

    2020.05.01
  6. ボリビア・レアル山群のソラタ村とイヤンプー峰

    2016.08.08
パタゴニア
2025年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP