Loading

風景写真家・松井章のブログ

キューバの英雄:対話するカストロ

カストロが多くの知識人を虜にするのは、その対話力にあるのだと思う。

オリバー・ストーンやイグナシオ・ラモネとのインタビューに臨むカストロを見ていて、つくづくそれを感じたのだ。対話というコミュケーションを大切にするカストロは、好まない相手や愚問であったとしても、真摯に応えるらしい。相手の思うことをじっくりと聴き、大げさなジェスシャーとともに激しさや優しさを込めて全力で応える。断ち切りも押しつけもせず対話をすることは、なんて難しいことだろう。地位が高くなれば、なおさらその我は強くなるだろう。50年も自分を律するのだから、それはもう趣味に近いのかもしれない。

軍服姿で真っ白なスニーカーを履いて歩く巨人からまず学ぶべきは、カストロの真髄とも言える「対話」かもしれない。

社会主義という一種の平等主義の中で、共産圏にありがちな馴れ合いによる腐敗をキューバは最低限に抑えていると思う。それは町を歩いて感じるのだ。日本の中小企業でさえもその腐敗を免れないのに、国がその清廉さを保つのはカストロという巨大な対話者がいるからだろうか。

対話のない短絡的な言動には、本来の善さえも急進的にひっくり返して、ただの迷惑に替えてしまう。指導者が一番大切にすべきなのは、ビジネス力でもビジョンでもなく、思想に裏打ちされた対話力かもしれない。

にじり寄るようなコミュニケーションって大変だ。
でも、そこにしか道はないのかもしれない。

fidel_castro_r.jpg

関連ページ

キューバ専用ページ

発作的評伝① マルコス副司令官 サパティスタ民族解放軍<EZLN>

アルゼンチンの牧場① 毛刈り 

関連記事

  1. キューバ革命の理想:フィデル・カストロの社会正義と国際主義

    2014.12.03
  2. キューバ革命の英雄:フィデル・カストロ

    2011.02.05
  3. ALBA Art “Libre”大使館絵画の紹介

    2023.06.28
  4. アルゼンチンの情熱の波及:キューバ革命と、チェ・ゲバラ

    2016.12.05
  5. 中南米「新型コロナウィルス」の対策・状況の最新情報2/28

    2020.02.28
  6. カリブの真珠・キューバ:古都を巡り展望の山へ大横断

    2017.01.30
パタゴニア
2024年10月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP