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ペルー・アウサンガテ山群のアルパカ
標高4000m以上のアンデス高原(アルティプラーノ)に生きるアルパカは、その地域により、微妙に毛色など特徴が異なります。
インカ帝国の都クスコの近くにある聖なるアウサンガテ山群の麓では、アルパカをたくさん放牧しています。
撮影した村では、白色や茶色のアルパカが混ざって放牧されていました。
息を切らしながら斜面を歩いてアルパカに接近しますが、臆病なアルパカは草を食みながらもなかなか間合いを縮めることができません。
しばらく同じアルパカを観察していると、ようやく少し近づくことができました。
まだ生まれたばかりと思われる小さな子供アルパカと、おそらく母親アルパカです。
草を食むのに夢中ではぐれてしまったようで、最初は子供アルパカが母親を探しているところでした。母親は子供アルパカを見つけたようですが、その間に私がいたのですぐに近寄ることができません。
その少し困ったような仕草を見ているうちに、無事に母親と子供は合流していました。
アンデス高原では、厳しい気候もあり、あまり生命の気配は漂っていません。わずかに鳥のさえずりや、遠くに車の通る音がときおり聞こえる以外には、ほとんど風音だけが少し聞こえます。
アルパカにとって、世界はとても静寂なものに見えるのではとないでしょうか。