Loading

風景写真家・松井章のブログ

“パタゴニアの針峰”セロトーレ:暴風と朝日の静寂

名峰セロトーレと激烈な気候

暴風が吹き荒れるパタゴニアで、静寂に包まれるのは夜明けの時だけかもしれません。

特に天候が荒れやすいのが、針峰セロトーレ(3128m)の山麓です。

セロトーレは、フィッツロイ連峰で、主峰フィッツロイに次いで有名な山です。
世界で最も登攀が難しいといわれる山で、文字通り針のような山容の峰です。

ここが特に風が特殊な理由は、地形による影響が大きいです。
南極から吹く冷たい風が、パタゴニアの自然を支配しているのですが、フィッツロイ山群は南極からの風が当たる壁のような存在です。

山麓には、東京都ほどの面積がある「パタゴニア大陸氷床(氷原)」を作り出す降雪をもたらします。
パタゴニアといえば乾燥したイメージがありますが、それはアンデス山脈に風が当たり湿度がほとんど落ちてしまうことで、広大なステップ(乾燥した草原)が生まれたのです。

セロトーレという特殊な形の山に暴風が当たることで、山麓の谷に吹き降ろす風はとても癖があり、あらゆる方角から押し寄せてくることもあります。
暴風に耐えるために体重を傾けた瞬間、風が正反対から吹いてくるので立っていることさえもできないほどです。
そのような時には、匍匐前進するように這って歩いたものです。

そのような暴風を何度も体験していると、夜明けの時間、セロトーレ峰が静寂に包まれるのがいかに貴重であるかも分かります。

静まり返り、凪いで薄く凍結した湖面には逆さのセロトーレ峰が映っています。朝日の最初の光線が当たると、セロトーレ峰は燃えるように橙色に染まります。
このような瞬間に出会えたら、それはとても幸運なことです。

【動画】フィッツロイ展望トレッキング

【動画】針峰セロトーレ展望トレッキング

松井章写真事務所

「パタゴニア」ブログ関連記事集

「パタゴニア」ブログ関連記事集

「パタゴニア旅行」専用ページ

日本山岳写真協会展「2023 山・われらをめぐる世界」のご紹介

アルゼンチンの伝統工芸:銀細工の工房へ

関連記事

  1. ペルー文化遺産「プカラの牛」巡回展(東京)開催

    2022.11.04
  2. マテ茶の飲み方

    2010.03.15
  3. 写真展(12/20~25)の準備中

    2022.11.25
  4. 秋が深まるフィッツロイ峰の山麓:パタゴニア

    2015.06.16
  5. 国際フォトコンテスト受賞作品「空撮レンソイス砂漠」

    2022.04.11
  6. チリ・サーモンの原点:開拓時代の移植の歴史①

    2014.12.23
パタゴニア
2024年2月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
26272829  

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP