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アルパカと過ごすひと時
ラクダ科のアルパカやリャマは、少なくとも約2000年ほどは、人とともに暮らしてきました。
野生種は無く、人と暮らす中で、品種改良によって、細分化されました。
ボリビアのアンデス高原(アルティプラーノ)で、ジャガイモを育てられないような土地では、アルパカやリャマが放牧されています。
私が撮影した場所は標高4400m前後の谷です。
斜面の草原で、彼らは一日中、草を食んでいます。
草食動物は、1日の大半を食べることに費やしますが、ラクダたちもまさに同じです。
彼らは「食べる」ことに集中する時間をだいたい決めているようで、食事の時間にはなかなか顔を上げてくれません。
草を食みながら、少しずつ場所を変えていますが、よく見れば彼らはその移動ルートも考えながらじわじわと移動しているのが分かってきます。
顔を上げてくれるのを気長に待ちながら、群れに付いて歩きます。
ふと目線を感じると、一頭の背の高いのが、じっと私を見ていました。
野生のラクダであるビクーニャやグアナコ群れにはリーダーが監視役を務めています。
その点は野生種と同じく、アルパカやリャマの群れにも監視役がいて、突然の客人が間違った行動を起こさないものか、常に警戒しているようでした。