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風景写真家・松井章のブログ

冬の北海道:オホーツク地方・女満別の風景と宿

道東で最も美しい丘陵地帯「女満別」

道東・オホーツク地方で空の玄関口となるのが、女満別空港です。
多くの旅行者はその日の内に網走や知床、または屈斜路湖の方面へと向かってしまいますが、女満別には美しい風景があります。

厳冬期、地平線まで広がる畑が真っ白な雪原となる女満別で、小さな宿に1泊しました。

女満別の風景といえば、「メルヘンの丘」に代表される丘陵地帯の風景です。ジャガイモ、テンサイ、ひまわりの畑が連なり、ときおりポツンと木が立っています。
冬の真っ白な雪原と木が織りなす風景は、北海道ならではと思います。 ※女満別は現在では市町村合併により、大空町の一部となっています。

石器時代から辿る女満別の歴史


女満別はアイヌ語で「メマンペッ」と呼ばれ「メマン」は泉、「ペッ(ベツ)」は川を意味します。
その名の通りに、網走湖と湖に注ぐ網走川が流れ、川の上流から流された土砂が堆積したことにより、広い丘陵地帯が生まれました。

この緩やかな丘陵地帯は、かつては原生林に覆われていました。森の恵みが豊かであったために石器時代の遺物も発見されています。アイヌ民族よりさらに古くから、一説には、ロシアの樺太から南下した「オホーツク文化人」がオホーツク海の沿岸に勢力を持ち、5世紀から9世紀頃まで海獣狩猟、漁労・採集で暮らしていたそうです。

その後、アイヌ文化がこの地に定着しました。
北の大地が大きく変わったのが明治時代です。明治維新の直後から、ロシアへの国防の観点から、北海道の開拓が国策の屯田兵制度により始まります。原生林を切り開き、今の女満別の風景の基となる広大な畑が拓かれました。

女満別に広がっていたであろう原生林の風景は、網走湖の沿岸にわずかに雰囲気が残っています。「女満別湿生植物群落」と呼ばれ、ヤチダモやヤチハンノキの原生林が大切に保存されています。

森と雪原の間にある小さな宿


網走湖の湖岸の近く、畑作地帯と森の中間にある小さな宿に泊まりました。

3部屋限定の宿で、窓からは静かで美しい森を見ることができます。

宿を出れば、すぐに雪原の風景写真もすぐに撮ることができる好立地です。

宿の東側が畑で風景が開けているために、朝日が特に綺麗でした。

夕日の時間ももちろん美しく、冬らしい鈍色の空に、斜光線が射し込むと、白の世界が黄金色に変わります。

宿の庭を囲む森の風景も綺麗です。

空が雪雲に覆われているときには、雪原と空の白に、葉を落とした木々の幹が映えます。寒々しい風景なのに、木の色が温かみを感じさせてくれます。

夕日が森に射しこむと、落葉した木の微細なシルエットが浮かび上がります。

朝日の前、黎明の時間には、森は静寂に包まれて、世界は青に包まれます。

北海道の食材を活かしたオーベルジュの料理


レストランと宿が融合したオーベルジュ「ノーザンロッジ・カント」では、北海道の旬の食材を活かした料理が魅力です。

北海道の食材は海産物だけではなく、畜産物や農産物も豊富です。

和洋さまざまな料理はどれも一流で、食にこだわる人は誰もが満足すると思います。

▲羅臼産ほっけのソテー(バルサミコソース)

▲女満別産長いものココット

女満別の宿「ノーザンロッジ・カント」のホームページ

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