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チリ・パタゴニアのマゼラン海峡の畔にて
南緯53度、パタゴニア南部のマゼラン地方(チリ)には、亜南極らしい風景が広がります。
南極から吹く風による、鈍色の空と強風の風景はいかにもパタゴニア的です。
降水量が多いことから、ナンキョクブナの木は温帯雨林を形成しています。
約150年ほど前、この地に自生する草が牧羊に適することが発見されると、多くの森は焼き払われて、羊が放牧されます。
刈り取られた羊毛の塊はとても高品質で、金貨のような価値がありました。
この空前のパタゴニアの好景気の時代は「ウール・ラッシュ」と呼ばれました。
現在は化学繊維が普及したことで、羊毛の需要は減りましたが、それでも全人口の数よりも、たくさんの羊が草原で放牧されています。