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荷を運ぶリャマ(ラマ)とは

南米のラクダ科のなかで、リャマは古くから荷を運ぶ動物として、人々の暮らしを支えてきました。
アルパカよりも体が大きく、足腰が強いため、山道や細いトレイルでも着実に歩くことができます。車が入れない場所では、今も荷役として重要な役割を担っています。
これらの写真は、2010年にパタゴニアの森の中で出会ったリャマたちです。
本来、リャマはアンデス高地を主な活動の場としてきた動物で、パタゴニアは本来の分布域ではありません。
ここにいたリャマたちは、荷役のために、約3000キロ離れた高原地方から連れて来られたようです。
鞍や荷具をつけて山道に立つ姿を見ると、リャマが観賞用の動物ではなく、実際に人の移動や運搬を支える存在であることがよくわかります。

当時は、植生保護を目的として馬による運搬が禁止されたため、その代わりにリャマが導入されました。
リャマの足は馬の蹄と異なり、地面や植生への負担が小さいためです。
現在では、リャマによる運搬も禁止され、人力による運搬だけが認められています。
リャマの習性でもありますが、先頭を歩く個体は耳を立て、周囲の様子をよく見ています。
アンデス山脈に適応してきた動物だけに、急な斜面や石の多い道でも、リャマは難なく歩くことができる脚力を備えています。

写真を撮りながら、私はいつもその佇まいに強く印象づけられます。
独特の落ち着きをたたえ、悠然と歩く姿は、荷役として働く動物でありながら、山の風景の中に自然に溶け込み、この土地ならではの時間の流れを感じさせてくれます。

リャマは、華やかに目立つ存在ではないかもしれません。
それでも、南米の旅や暮らしの現場では、今も静かに重要な役割を果たしています。荷役としてのリャマの姿には、人と自然のあいだで築かれてきた長い関係が表れているように思います。



























