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高山病について

 【高山病とは】

空気中の酸素の量が少ない高地で生じる様々な症状の総称を、「高山病」と呼びます。一般的には標高3,000m以上の高地に短時間で到着した場合に発症します。2500m付近で発症する場合もあり、正しい予防を怠れば、誰でも重い症状に発展する可能性があります。
小さな症状を含めると高山病にかかること自体は、ほとんどの旅行者が経験します。症状の具合に個人差があること、つまり強い方や弱い方がいることは事実ですが、行く度に発症の度合いや種類が違います。体力や性別とは関係のない様々な原因が作用して発症しますので、高所へ旅行する方はどなたでも注意する必要があります。
ペルー、ボリビア、エクアドルのアンデス山脈の各地域は標高が高いことから、軽い急性の高山病は、ほとんど全ての旅行者がかかることを前提として、初期段階で抑える慎重な予防法が重要となります。 

【高山病の予防管理:「高山病とは何か」】

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【高山病の予防法】

●体調を整える 

高山病の発生には体調が大きく影響するので、余裕のある日程で行動しましょう。特に日本出発時に、体調を整えておくことが重要です。

●ゆっくり動く 

高山病は到着の直後には発症しません。呼吸数が落ちて酸素の体内循環が遅くなる睡眠中に発症するので、深夜あるいは翌朝に発症することが多いです。特に影響を感じていない時でも、走らずにゆっくり歩くことを心がけるのは重要です。初日に元気な人でも、翌日から急速に体調を悪くすることはよくあります。

●水分を十分に摂取する

乾燥した空気と低酸素による呼吸数の増加により、脱水症状が起こります。トイレに行く回数が増えますが、それでも水分は多めに摂取してください。

●深呼吸をする

深くゆっくりと呼吸をする事は、重要な予防法です。深呼吸をたくさんすることを心がけましょう。

●食事は控えめにする

胃腸の機能が弱くなっているので、腹8分目あるいはもっと少ない程度の量で押えておきましょう。

●アルコールを控えめにする 

アルコールの回りが早いので、高所での飲酒は要注意です。個人により極端な差があります。

●体を温める 

体が冷えると、高山病としてすぐに影響が出るので、常に多めに着込むことが重要です。特に頭部は、毛糸の帽子などで充分温めてください。

●睡眠導入剤は飲まない

呼吸数の低下により、著しく高山病が悪化することがあります。悪化した高山病により意識障害が生じることがありますので、睡眠導入剤の服用には細心の注意が必要です。
 

【高山病の症状】

頭痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、睡眠障害、むくみなど様々な症状が出ます。これらの初期症状の段階で上記の予防法を心がけて、正しい対応をすることがとても重要です。これらの症状が悪化すると意識障害などに発展して、さらに悪化すると命に関わる重大な高山病になることがあります。
そのような重度の症状が、脳浮腫や肺浮腫です。ただちに低地に下りる必要があります。それができない場合には、応急処置として酸素吸入を低地に搬送するまで続け、ガモウ・バッグ(携帯型加圧装置)を使用します。高所到着後すぐの初期症状の時に、運動や飲酒、睡眠導入剤の服用をすることで、重度の高山病まで悪化することがあります。
 

【予防薬の使用】

ダイアモクス(アセタゾラミド)という内服薬は、高山病の予防薬として効果があるとされています。脳の呼吸中枢を刺激することで、呼吸を促進し酸素の吸収を増やします。副作用としては、利尿作用があるのでトイレが近くなり寝付けなくなりますが、それでも脱水症状を防ぐために継続して水分をより多く摂る必要があります。また、手足の末端部にしびれを感じることがあります。医師の処方が必要な薬ですので、慎重かつ適切に使用する必要があります。

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